須磨観光ハウス~花月と猫の物語

1937年(昭和12年)に神戸市迎賓館として誕生した須磨観光ハウス「花月」と猫ちゃんたちを応援するブログです。

花月と人(4)~中川一政

2020-08-31 20:47:39 | 日記
中川一政・・・神戸や須磨と特に関係のあった方ではないようですが、「花月」に現存する素晴らしい作品をお見せしたいので紹介します。
マネちゃん曰く、「お客様にとても人気のある作品で、この絵を観るのを楽しみに来訪される方もいらっしゃる」ぐらいだそうです。

中川一政、そんな人知らな~い、いえいえ誰もが絶対に見ている絵があります。人気駅弁「ますのすし」、シンプルだけど忘れられないパッケージ、あの一筆書きのようなユニークな顔の魚は中川一政の作品です。花月の作品も「魚」なんですよね。

「月刊神戸っ子」のアーカイブスに中川一政氏・来神の記事がありました。その時「ハナワグリル」で色紙に書かれたのが「馬も四ツ足 鹿も四ツ足 」、なんと!「花月」に関わりある言葉ではないですか!!しかも、最初に「馬鹿」と書いてから仕上げたという軽妙洒脱ぶりには脱帽です。
 御影の香雪美術館で展覧会も開催されたことがあるようですね(小学館『サライ』のサイトより)。こちらの記事も興味深いものがあります。

「ハナワグリル」で久々に洋食を食べてみたくなったのですが、今年の3月末で惜しくも閉店されたそうです(平井裕三さんのサイト『Master of Life』より )。
「花月」よりも早い昭和6年創業、いい店がどんどんなくなっていきます。神戸・元町にはそんなに有名でなくても美味しいお店がたくさんありました。

ご家族やご夫婦で守り続けられたお店がどんどん閉店しています。
コロナ禍でこれまで以上に営業は大変でしょうが、よいお店がなくなるのは非常に残念なことです。
最近行けてないのですが、三宮センタープラザの「土佐」も大好きです。店主のご夫婦がステキです。そして、もちろんお料理がとても美味しいお勧めのお店です。

「花月」はもちろん「土佐」にも、神戸に根を張る全ての地元店にも心からのエールを送ります!どうか頑張ってください!!

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花月と人(3)~安東聖空

2020-08-30 12:16:45 | 日記
2025年大阪万博のシンボルマークが発表されました。

公益社団法人2025年日本国際博覧会協会

最初は「えっ?」と驚いたものの、最近でいう「キモカワ」風、印象的なシンボルマークですね。

「1970年の大阪万博は人生という地図の出発点・再出発点だ」という方はたくさんいて、私もその一人です。老いも若きも、日本人を広い世界へと目を開かせ、目を向けさせてくれた素晴らしいイベントでした。
2025年のシンボルマーク製作者も「太陽の塔」に多大な影響を受け、そのオマージュとしてマークを作成したとおっしゃっています。桜のシンボルマークに似ている(全体の形がですか?)という方もいらっしゃいますね。

さて、家族が2005年愛知万博(愛・地球博:テーマは自然の叡智)に関わっていたこともあって、愛知万博のシンボルマークを再確認してみました。
「モリゾー・キッコロ」のキャラクターが際立っていたので、シンボルマークは覚えていないんですね。確認すると愛称ロゴマークとのバランスは良いのですが、残念ながら単独では印象が薄い気がしました。
自然との共生、それでいいのでしょう。何かが際立つより全てが調和することに価値を持つ、「世界に一つの花」が流行った平成日本の思想の現れでしょう。それはそれで価値あるものだと思います。

「花月」には、大阪万博「日本館」貴賓室の正面でお客様をお迎えした「書」があります。書家の名は安東聖空(1893-1983)、かな書道の第一人者です。
読んでみてください。「花は誇らず その美 見る人にあり」、書体も意味も日本館にふさわしいものです、そして終の棲家になった「花月」にもふさわしい言葉です。

月刊 神戸っ子 連載 神戸秘話 ⑨

海外で働いた経験があります。海外に出ると自分が「日本を知らない」ことがよく分かり、帰国後はまず良き日本人になろうと思いました。まだまだ修行中ですが、国際人への第一歩は英語の習得ではなく、日本人になることだと思います。

この書にある日本的な価値観、外国人がいう「サムライ」的な価値観は日本の誇る美徳でもあります。「みんな違って、みんないい」という意味を軽くとらえない方がいい、誰もがそれぞれの自己を主張すればいいという意味ではなく、人に認められても認められなくても、それぞれが黙々と、おのれの努力を重ねる日本人の美意識をこの言葉に探ることもできます。
いまいち分かりにくければ、同じく神戸ゆかりの作家、山本周五郎の『蕭々十三年』などを読んでみられてはいかかでしょうか。

2025年の大阪万博を個人的にはとても大変楽しみにしています。
そして「その現場で働いてみたいな」と夢見ています。世界・自然・宇宙・人類・体内・・・・・スケールの違いはありますが、構造が似ているように思います。2025年の万博は人間の体内、生命の可能性を探ることがテーマだと思いますが、その中でウィルスとの共生も見えてくるかもしれません。大阪万博、今から期待が持てます!

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花月のお料理(27)~敦盛そば

2020-08-29 16:35:21 | 花月のお料理
『平家物語』一の谷の戦い、諸説ありますが、ここ須磨浦公園は一の谷という地名もあり、「逆落とし」の候補地の一つとして有力です。「鹿も四足、馬も四足」で有名な義経の「逆落とし」です。ともによく知られているのは教科書に出てくる「熊谷直実と平敦盛」の逸話ですね。ちなみに敦盛の「青葉の笛」は近所の須磨寺にあります。

この地にちなんだ「敦盛そば」は長年、老舗として有名でしたが、しばらく廃業していました。マネちゃんは、江戸時代からそばを商う店があったという須磨の地で「敦盛そば」復活をアピールするため 営業を引き継がれました。

神戸新聞NEXT(2020/3/7)

マネちゃんのおじ様にあたる方が、板宿で鰻の老舗「加奈井」を営業していらっしゃったので、その腕をお借りしたそうで、新生敦盛そばの出汁の味は鰻屋仕込みの本物です。マネちゃんとしては「敦盛そば」という地域の名物を守り、新たな観光資源として須磨浦公園を盛り上げたい思いで引き継がれたそうです。そうですね、愛すべきは須磨浦公園、そして須磨観光ハウスです。

本日8月29日の花月はマルシェ・イベントで貸切でした。イベントの昼食には「お弁当」、「敦盛そば」、「牛丼」が用意されていましたので、まず「敦盛そば」をいただきました。今まで新生「敦盛そば」を食べたくても、いつも花月でお腹いっぱいになってしまうので、なかなかチャンスがなかったのです。

蕎麦は細目、少し白みがかった更科蕎麦、喉越しがいいお蕎麦です。大根おろしや半熟卵、ネギ、鰹節などをのせ、お出汁をかけていただきます。以前紹介した須磨海苔も使われています。何よりお蕎麦自体が美味しいと思いました。トッピングも上品な色合いで「敦盛」にふさわしい仕上がりだと思います。

牛丼も少しいただきました。器も美しく美味しかったのですが、私はお味噌汁にビックリしました。お伺いすると鰹や昆布などを使って普通に出汁をとったらしいのですが、具材の影響か、たくさん作るからか、一風変わった「アゴ出汁」のようなパンチを感じとても美味しかったです。ランチの味噌汁にも手を抜かない、やはり「花月」ですね。

猫ちゃん達は、うだる残暑と多くのお客様の来訪などで四散、数匹しか会えませんでしたが元気そうです。そのうち涼しくなるので、もうちょっとの我慢ですね。





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花月のお料理(26)~丸茄子五色あんかけ

2020-08-26 07:42:16 | 花月のお料理
最近、花月は新メニューの開発に励んでいるようです。お客の立場としては嬉しいことです。料理が可愛いと思うようになりました。
この料理も、とてもキュートです。丸、まる、モリモリじゃないけど、ま~るい形って可愛いですね。丸茄子は今が旬の夏野菜です。普通の茄子と比べ、果肉が締まっていて茄子特有のえぐみが少ないようです。

五色あんかけの中身、ネギ(白)、オクラ(緑)、海老(赤)、百合根(黄)一色足りない~、茄子は紫かなあ?そもそも、なぜ五色??

五色はそもそも仏教用語だと思います。
お寺に行くと五色の旗や幟が見られます。ウィキによると五色(ごしき)は、「仏教において如来の精神や智慧を5つの色で表す。青・黄・赤・白・黒が基本となる五色だが、青の代用に緑、黒の代用に樺色や紫を使うことがある」ということで、緑と紫が代用しているのでこのお料理の「五色」は完成ですね。 

さて、うちの家庭料理、茄子は絶対に出ませんでしたので、子供の時、焼茄子や茄子の煮びたしを食べたことがありませんでした。
亡くなった父が「茄子嫌い」でした。その理由は「戦争の時、嫌と言うほど食べて、もう一生食べたくない」。

子供には嫌いの理由が意味不明で何度も聞きましたが「もう話したくない」と一蹴でした。私の時代、お父さんは絶対的権威を持ち恐ろしい存在でしたので、結局理由は分からずに逝ってしまいました。

だから、知りたがりの私にとって、「茄子」は特別の意味がある野菜です。戦争って、終わってからもずっと心に傷を残すんでしょう。父は小さな傷か大きな傷が分からないけど「心に茄子傷」を持ったまま、旅立ちました。

さて、五色・・・「お父ちゃん、丸茄子は本当に美味しいよ、如来さんと一緒に食べてください」。もうお盆の道を帰りついている頃でしょう。

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花月のお料理(25)~海老の(大和)芋寿司

2020-08-25 07:37:39 | 花月のお料理
大和芋」ってご存知ですか? 花月で生まれて初めていただきました。

ウィキの下の方にちょっこっと、「めでたいいも」とあって、こちらもお誕生日にいただいたのが嬉しいですね。大陸から渡来した「ながいも」の一種らしいのですが、伝統野菜の一つとして奈良県から「大和野菜」に認定されているようです。「大和野菜」というのが、渡来っぽいし、大和っぽい響きです。古代史が好きな方には、心に響く単語ですね。

八寸のお寿司なので、彩に紛れてはじめは気がつきませんでした。海老の味付け、酸味と甘味の配分が絶妙だったのでそちらに気をとられましたが、「うん?これは芋やんな?」と家族で驚きました。

うちは裕福な家庭ではありませんので、自立して、年齢を重ね、自分で美味しい料理を食べに出かけられるようになったことは喜びの一つです。美味しいものが大好きで、エスニック料理も、アフリカ料理も、トルコ料理も、どんな料理も好きですが、最後はやはり「和食」がいいかなと思います。

そんな家族はまだまだ和食修行中。「大和芋」なんて聞いたこともなく「山芋?里芋?」果ては「薩摩芋」まで飛び出す始末・・・修行が全く足りていません。まぁ、美味しいものに初めて出会う驚きが、これからまだまだ待っているということ・・・にしておきましょう。

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