須磨観光ハウス~花月と猫の物語

1937年(昭和12年)に神戸市迎賓館として誕生した須磨観光ハウス「花月」と猫ちゃんたちを応援するブログです。

花月のお料理(60)~桜蒸し吉野仕立てのお椀・胡桃豆腐

2021-04-25 23:19:42 | 花月のお料理
春らしいお椀をいただきました。あんこのない桜餅をつかった一品です!

花月のお料理(42)でも「吉野仕立て」の説明をしていますので、ご参考にしてくださいね。よろしくお願いします。



桜餅・・・葛餅と同じく、桜餅も関西・関東の違いがあるようですね。
関東では「小麦粉でできたピンクの皮であんこを巻いた長命寺」、関西では「ツブがあるもち米であんこをくるむ道明寺」を桜餅と呼んでいるようです。

どちらにも寺の名前が使われていますが、「長命寺」は売った場所にちなんで、「道明寺」は大阪にある道明寺で加工された道明寺粉(米粉)を使っているからだ、ということです。

関西 vs 関東のあるあるで長野県以北で長命寺の桜餅が好まれるようですが、なぜか島根県は長命寺桜餅。お殿様が江戸から持ち帰ったという説が有力です。なぜか北海道は道明寺、こちらは北前船の影響だそうで、江戸時代は船が飛行機の役割をしていたのですから、さもアリなんですね。

お花見にちなみ、今回のお椀はあんこのない道明寺桜餅です。塩漬けにした桜葉の上に大粒のハマグリや桜の花びらに切りぬいた淡い色の人参がそっと置かれていました。それが美味い!!ハマグリや人参に桜葉の塩味と香りが移って何とも言えないんです!続いて、つぶつぶお餅のもっちりした食感と細切り魚そうめん、もちもちツルツル、お出汁はもちろんのこと、一つのお椀の中に二度、三度、四度と美味しさが広がります。凄いね!料理長、脱帽です。



胡桃豆腐、見た目は今までのお料理と同じですが、エピソードを一つ紹介したいので取り上げます。胡麻豆腐と違って胡桃豆腐、ゴマ比べてクルミの味は出にくいでしょうが、今回は胡桃のお味をしっかり感じました。実は半年ほど前に「あまり胡桃の味がしない」と偉そうにダメだししました。研究熱心で謙虚な料理長はちゃんとお味を改良されていました。一人ひとりのお客さんの意見に対して、謙虚に大事に耳を傾けてくださる料理長の凄さがわかる一品でした。







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外飼い猫の社会化(3)~ 野生から共生(家畜化)へ

2021-04-19 21:06:48 | 猫の物語
「いえ猫」の祖先がアフリカ北部や近東あたりの「リビアヤマネコ」であることは、猫好きの方でしたら誰もが知っていることでしょう。

ある学説では「猫は自ら家畜化した動物である」といわれています。猫がもし、人とではなく野生動物に混じって暮らしていくことを選んだなら、身体が小さく弱い動物であるがゆえに「種」としての存続も危ぶまれたかもしれない・・・そんな状態を回避するために「猫」は自ら人に近づいたといわれています。可愛い容姿、しなやかな体形、赤ちゃんと同じぐらいの大きさ・・・猫の全てが人間の心に「愛おしさ」を呼び覚ますのも「戦略だった」のかもしれません。



皆さまは東南アジアの山中にいる「赤色野鶏」をご存知ですか?赤色野鶏は野生の鶏、私の第二の故郷タイの山中にも生息しています。
昔の人は赤色野鶏を家畜化し食用にするために捕まえたのでしょうか??

食用のトリといえばチキン、日本人は焼とりが好きですし、ダイエットや身体づくりの目的で「トリニク」は重宝されていますね。子供も大人も卵焼きが大好きです!昔の人はこの野鶏を家畜化し「ニワトリ」にしたのは確かでしょうが、その理由、実は最初は「肉を食べるため・卵をとって食べるため」ではなかったようなのです。

人類が初めて赤色野鶏を捕まえた動機や目的は、まだはっきりと解明されていないと思いますが、時を告げさせるため、儀式のため、ペット等、「食用ではない目的」に動機付けがあったように言われています。



ご承知のようにタイには「闘鶏」があります。手前味噌で申し訳ありませんが、ナイフを足につけ、傷つけあって血を流しながら戦わせるフィリピンの闘鶏とタイの闘鶏は全く違います。現在では動物愛護の視点から鶏が闘うためにリングに入る時間は制限されています。また脚や身体の保護のため、足には赤や青の小さなボクシンググローブをつけています。

タイ人のオーナーは、自分の子供よりも鶏の方が大事なのかと思うぐらい、闘鶏用の立派な鶏と寝食を共にし可愛がるそうです。
闘鶏会場に観に行ったことがありますが、オーナーが一生懸命に自分の鶏に声をかけながら、タオルをかけて冷やしたり、口移しで食べ物を与えたり、マッサージしてやったりしていました。そして人鶏一体となったリングでの闘い、会場の声と燃えるような熱気は凄まじいものでした。



何が言いたいのか??と整理すると、人と動物、人と鶏、人と猫は古来から「食用」「有益」「有用」等の打算的な関係性だけで繋がっているわけではないということなんです。
だからね♡♡、巡りあい共に人生を旅することになった「コンパニオンアニマル」だということを忘れないで、お互いの「ご縁」と「命」を思いやって暮らしたいものですよね。

猫から見れば、人間の方が「コンパニオンアニマル」、一緒に幸せを創造し、共に幸せを分かち合いましょうね。




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外飼い猫の社会化(2)~ 人と猫との共生過程

2021-04-17 21:55:08 | 猫の物語
少し前ですが、2月24日水曜日のこと。ジジがご飯を食べないので心配したマネちゃんにつき添って動物病院に行きました。ジジはこの1~2年、ずっと妊娠や子育てを繰り返していて、あまりお目にかかることはなかったという理由で、2月現在の私とは信頼関係が築けていませんでした。だから診察台に乗せたり押さえたりするお世話に手出しできませんでした。花月の猫ちゃん達は基本外飼いなので、マネちゃんも抱っこして診察台に乗せたり押さえたりすることには慣れていないようで、診察室でジジは大暴れ、オシッコもしてしまいました。

結果は妊娠・・・それで胃が圧迫してせり上がってご飯が食べられないということ、「出産したら元に戻ります」・・・その後ほんとに無事、元に戻りました。



病院から帰宅した直後、ジジは不安になったのかしばらく雲隠れしてしまいましたが、その後無事出産!私は4月に入ってもまだ仔猫達を見ていないのですが(見に行かなくてもいいと思っています)、マネちゃんによるととても可愛いそうです。

そしてようやくジジも高級カリカリを食べるために西エリアに出てきました。西エリア猫ちゃん達と一緒にたくさん食べます。私にもなつきスリスリ。性格も穏やかで撫でても平気、とても可愛い!!!。
やっとジジと仲良くなれました。授乳中のためか、とてもよく食べます!!たくさん食べていっぱい母乳を出してね!ジジ!!!



ジジの黒い毛並みはピカピカ・ツヤツヤで美しく、何より健康的です。モテるのがよく分かります。強く美しい個体に次の子孫を託したい・・・生物的本能はメス猫にもオス猫にも厳しい選別をうながします。
だからもうすぐ2歳になるクマちゃんには、残念ながら男子は見向きもしません。小さいロロちゃんも子供を産んだことはないと思います。モフは人間には人気がありますが、オス猫の競争には入れません。



出産後の仔猫は母乳をもらいながら、しばらく親と一緒に隠れて暮らします。そして少し大きくなると親について外に出てきます。まだまだ用心して人と距離をとり、なつこうとしません。
実はこの時が人との社会化、人との共生にとって大きなポイントになります。すなわち、「母親がどれだけ人との距離が近いか」、母猫と人との共生バランスが、その後の外飼い猫にとって大きな要因になります。
母猫が人のところへ行くようになっても、仔猫は最初、けっこう遠巻きから見てます。そしてある日突然!!!自分自身で決心して人になつくようになります。

(1)で取り上げたボブは今ではもう人が好きですが、まだ私など特定の人。お客様に撫でられても平気というわけではありません。遊び友達のコハル兄、チビ兄はけっこう愛想がいいのでそのうち「おもてなし猫」の仲間入りができるかもしれません。



ゾロが住む東エリアには、よっぽどの猫好きのお客様でないと足を向けられません。4月に入りだいぶ近くに来ましたので、少し背中が撫でられるようになりました。東エリアは「花月裏口の近くに定住する人懐っこい子」か「谷などに雲隠れしながらご飯だけ食べに来る子(人との距離はまちまち)」と、性格が二分しているのでゾロがどっちになる分かりません。

gooとも距離が縮みましたが、それは高級カリカリをモリモリ食べる時だけです。そっと背中を撫でると飛びあがって逃げます。そしてパンチ!!しようとします。この子とは一生近くなることはないでしょう・・・多分・・・。母親のミーコは撫でられることを嫌がりませんが決して好んでいませんので。



ハナ(ニャニャ)は人を好みません。ご飯は貰っているのでマネちゃんには感謝しているようです。ハナをあまり見ないので、こにゃにゃ、ペコ、ポコも見る機会が少ないです。

続いて(3)でその考察をしたいと思います。




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外飼い猫の社会化(1)~ 2020年秋生まれハードボイルドな奴ら♡

2021-04-14 03:15:45 | 猫の物語
2019年~2020年にかけて出産ラッシュが続きました。花月猫の歴史はもう少し前の世代から始まっています。私が関わり始めたのは2019年、本格的に関わってブログを始めたのが2020年の春ですから、私自身は第1・第2世代のお母さん達とはビビとジジ以外、面識がありません。だから先輩中間管理職マリオにも「ぷーん」とされてますし、縞次郎はそもそも人間に愛想を振りまくことはありません。

最近になって、お客さんや元スタッフさんで第一、第二世代を貰ってくれた養父・養母の方々とお話する機会が増え、お写真もいただいております。血統図(家系図)ができたらご紹介するチャンスもあろうかと思います。花月猫家系図(血統図)はうちの家系より複雑で立派で・・・もう大変(汗)

さて、楽しいことに、2019年生まれの青少年達を代表するモフ、ハル、ユキ、ブラック、ラビ、ウニ太郎、ジャスミン、ニャン太・ニャン吉・シマコ・クマ達、その少し前のチロ&バン兄弟とは仲良くなりました(うし兄は今はダメですが)。またその後2020年早めに生まれたコハルやチビとは、もはや大の仲良しです。



2020年初夏生まれ、このブログでも紹介したハナ(にゃにゃ)の子供達「こにゃにゃ・ペコ・ポコ」は、南エリアから東の谷にかけて住んでいますが、今はご飯の時ぐらいにしか姿を見せません。そもそも人嫌いでしたが、いるかいないか分からないほどになってしましました(泣)。

ここで、2020年の後半に生まれた仔猫の中で懐かない(なつかなかった)ハードボイルドな奴らを紹介しましょう。

▼ボブ(ジジの子:花ちゃんの兄)オス
ジジと一緒に西エリアに出てきてから徐々に関係が近くなりました。撫でたり抱っこできたのは最近・・・不思議なことに、ある日突然、距離が近くなるんですね、新鮮な体験でした。最近では、私がヤンキー座りをして高級カリカリで釣りながら、健康観察や毛梳きをしていると、私の股くぐりをして「あそんで~」とせがみます。ジジから独立し、コハル兄、チビ兄と男の青春時代を謳歌しています。




▼ゾロ(ビビの子:ビクトリア・ビリー・クロの兄弟)性別不明
東エリア新設猫小屋でビビと一緒に住んでいます。東エリア定住猫・・・2021年春現在はこの一家を中心にクマ、チロ&バン兄弟、時々ロロやパン、コロなどがご飯に来ます。兄弟の中で一番身体の大きいクロちゃんとはとっくに仲良しになりました。ビクトリア、ビリーとはまあまあの関係。しかし、黒い仮面のゾロだけがなかなかなつきません。ご飯の時やっと背中を少し撫でられたぐらい・・・兄弟姉妹でも個体差がこんなに大きいのが不思議です。



「生まれながらに」といいますが、変わらない資質や性格というのはあるんですね。人の子育てや学校での教育活動についても考えさせられます。全く同じ条件でも生物的な個体差というものが確実にあるのがよく分かりました。人間にとっても一律の教育は良くないんじゃないかと思ったりするこの頃です。猫は多くを教えてくれます。




▼グー〔goo〕(ミーコの子)メス
こいつが曲者、見かけはフワフワでとても可愛いですね!でも凶暴女子だ!強度の怖がりだからでしょう、いつも手を上げながら生きているヤツです。油断して何度も引っかかれて、指や手に出血!怪我をしました。



グーちゃんはこの冬にはまだ仔猫でしたが、見た目にも重い風邪にかかり心配でした。遠目で見ても目やにもいっぱい、黄色い鼻水を飛ばしながら暮らしていました。しかし捕まえることができませんでした。食べることが好きだったので、名前を呼んで、少し離れた場所に彼女用に美味しいカリカリをたくさん盛りました。今では距離が縮まって高級カリカリの時には一番に走ってきます。でも近くで袋を開けると爪を出した猫パンチをくらうので用心用心・・・食いしん坊なのが幸いして辛い冬を乗り越え、きれいなメス猫に成長しました。



まだ成猫ちょっと前です。しかし困ったことにラビに狙われています。まだ子育てできる齢じゃないので逃げているようですが・・・ラビが勝つか、ウニ太郎が勝つか・・・恋の女神はどちらに微笑むでしょう?また近々「兄弟船の恋敵争い」が勃発しそう・・・。


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花月のお料理(59)~特選和牛陶板焼「鉢伏」・鯛の博多押し

2021-04-07 21:20:00 | 花月のお料理
まずは焼く前の和牛肉をご覧あれ!
「肉、食べたい~!!」、そういう時がありますね。



このお肉は増量150gですっ!!特選和牛陶板焼のコース「鉢伏」・・・皆さま、美味しくてごめんなさいね~。

「鉢伏」のコースでは和牛サーロインステーキ90gのお肉が食べられます。そしてそして、私のように150gのリクエストもできるんです。お値段は変わりますよ、ごめんなさいね~。

その「鉢伏」から「鯛の博多押し」をご紹介します。



日本料理における「博多」とは、博多帯の縞目になぞらえた料理全般をいうようで、色の異なる素材を重ねて切り、博多帯に似た縞模様が見えるように盛り付けます。博多押しの他に「博多焼き」「博多揚げ」等もあるようです。

このお料理は副料理長に教えていただきました。「これは博多押し、博多帯みたいやろ」と・・・本当ですね、感心しました。鯛と昆布の味が合います。書きながら、甘酸っぱい酸味とあっさりした鯛の味を思い出して、ゴックンしました。美味しかった~。

料理長さんとマネちゃんを「co-opステーション」4月号のお花見記事で、ご承認を得たうえで紹介をさせていただきましたが、 実は副料理長さんも気さくでステキな方です。料理長・副料理長のお二人には、たまにお声掛けいただくのですが、お二人はとても仲が良さそうです。チームワークの良いところに良い仕事あり。花月のお料理が絶品なのも納得です。

さてその博多帯、キュッと締められて気持ちいいので夏の浴衣に良く使います。五行説により青、赤、黄、紫、紺の5色が基本色だそうです。博多帯の図柄は仏具がモデルだそうでビックリしました。

ルイ・ヴィトンも日本の家紋にインスピレーションを受けたと聞いていますが、日本の仏具や家紋のデザイン力って本当に凄いんですね。

因みに、花月猫ちゃん達の中にも、大ボス縞次郎を筆頭に「博多押しの猫」がた~くさん。皆さまのご来店をお出迎えしていま~す。









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