春らしいお椀をいただきました。あんこのない桜餅をつかった一品です!
花月のお料理(42)でも「吉野仕立て」の説明をしていますので、ご参考にしてくださいね。よろしくお願いします。
桜餅・・・葛餅と同じく、桜餅も関西・関東の違いがあるようですね。
関東では「小麦粉でできたピンクの皮であんこを巻いた長命寺」、関西では「ツブがあるもち米であんこをくるむ道明寺」を桜餅と呼んでいるようです。
どちらにも寺の名前が使われていますが、「長命寺」は売った場所にちなんで、「道明寺」は大阪にある道明寺で加工された道明寺粉(米粉)を使っているからだ、ということです。
関西 vs 関東のあるあるで長野県以北で長命寺の桜餅が好まれるようですが、なぜか島根県は長命寺桜餅。お殿様が江戸から持ち帰ったという説が有力です。なぜか北海道は道明寺、こちらは北前船の影響だそうで、江戸時代は船が飛行機の役割をしていたのですから、さもアリなんですね。
お花見にちなみ、今回のお椀はあんこのない道明寺桜餅です。塩漬けにした桜葉の上に大粒のハマグリや桜の花びらに切りぬいた淡い色の人参がそっと置かれていました。それが美味い!!ハマグリや人参に桜葉の塩味と香りが移って何とも言えないんです!続いて、つぶつぶお餅のもっちりした食感と細切り魚そうめん、もちもちツルツル、お出汁はもちろんのこと、一つのお椀の中に二度、三度、四度と美味しさが広がります。凄いね!料理長、脱帽です。
胡桃豆腐、見た目は今までのお料理と同じですが、エピソードを一つ紹介したいので取り上げます。胡麻豆腐と違って胡桃豆腐、ゴマ比べてクルミの味は出にくいでしょうが、今回は胡桃のお味をしっかり感じました。実は半年ほど前に「あまり胡桃の味がしない」と偉そうにダメだししました。研究熱心で謙虚な料理長はちゃんとお味を改良されていました。一人ひとりのお客さんの意見に対して、謙虚に大事に耳を傾けてくださる料理長の凄さがわかる一品でした。
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