バルミューダがスマホビジネスに乗り込んだようだが、この業界は簡単ではない。
自動車電話からショルダーフォン、携帯電話、アナログからデジタル化され、携帯電話(ガラケー)からスマホへの進化するにあたり多くの通信機器メーカーが栄枯盛衰を繰り返した事だろう。
元々、電電公社(現NTT)が1979年に商用化した自動車電話、当時の自動車電話はアナログであり、無線機はトランクに設置し、電話機は、長いケーブルを社内に這わせ、後部座席のひじ掛けに設置した。当時の自動車電話は会社の重役が使うもので、運転手が居るような人が使っていた。
聞いた話だが、自動車電話一式の価格は、トヨタ・カローラ一台分の価格でメーカーから電電公社へ納品されていたとの事。
当然、メーカーは自社で制御用のソフトウエアの開発から、無線機の設計開発まで行っていたそうだ。一台ごと手作りだったとの事。
技術力が無ければ開発は出来ない。
40数年後の今、自動車電話はスマートフォンとなり、スマートフォンを制御する為のチップセットはほぼ1社が独占し、チップセットと制御用のソフトウエアが販売されている。無線機の半導体も市販され、以前の様な技術力が無くても、作る事は出来るようになった。OSはアンドロイドと言うグーグルは作った物をインストールすれば、猫も杓子でも作る事は出来るようになった。
しかし、NTTやau、Softbankへ納入するには、簡単ではない。
各オペレーターからの独自要求がかなり、厳しい。SIM・Freeモデルで売れば、各オペレーターの要求など関係ないが、中華のメーカーを相手に戦う必要がある。市場での価格は本当に安価である。
バルミューダはSOFTBANへの販売チャネルを目指し、当初目指していた所からかけ離れた商品になったんだろう。
日本の大手通信機器メーカーはこの業界から撤退した。M社、N社、P社、本当に、素晴らしいガラケーを生産していた。
しかし、国内のマーケットで十分に利益と売り上げを出していたから、ひたひたと忍び寄った黒船に負けてしまった事だろう。
エンタメ業界も同じではないだろうか、日本の人口は1億3千万人。かなりの市場である。韓国の人口は約5千万人。日本の半分以下、国内マーケットも小さい。つまり、初めから外に出て行かないと、マーケットシェアが取れない。
日本のドラマにしても、最近は一部の作品はNetflixの資本を活用して、国内向けに作った作品でも、海外へ出て行っている。
以前は、フジテレビが進めたトレンディードラマなど、視聴率も良く、スポンサーもついてくれた。
しかし、いまのビジネスモデルは違う。テレビを見ない人が増えている。自分もそうだが、今のテレビ番組は見る気もしない。コンテンツとして、安価な製作費で作っているのが見え見え。どのチャンネルを回しても、ゴールデンタイムに放送している番組は、クイズ番組だけ。当然、見る気にならないから、ネット配信番組を見てしまう。スポンサーも離れるから、益々、製作費が下がり、番組も打ち切りになり、長続きしない。
その点、初めからテレビ東京の番組は違っている。製作費を安く抑え、それなりに視聴率も稼げて、長続きしている番組が多いのではないだろうか?
スマートフォンの話から今のテレビ番組へ話はずれてしまった。