嗜好を志向する思考系ブログ。

菜根譚 前集§002

世を渉ること浅ければ、点染もまた浅し。   
事を歴ること深ければ、機械もまた深し。   
故に君子は、その練達ならんよりも、朴魯なるに若かず。
その曲謹ならんよりも、疎狂なるに若かず。


社会経験が少なければ、社会のあり方なんて知るはずないよね。
地道に取り組んでさえいれば、自然とそのことにも精通していくよ。
だから、価値ある人になりたかったら、要領よくやろうとするより、愚直でも正面から取り組んだ方が良い。
周りに取り入って上手く進めようとするより、多少要領が悪くても一生懸命に取り組んだ方が良い。




う~ん。難しいですね。
「朴魯」「曲謹」「疎狂」あたりの意味はネットで調べても出てこないし、「機械」は明らかに通常イメージする意味じゃない。
そういえば、中国語って1文字で意味が成立するから、熟語って考え方をあんまりしないんでしたっけ。
あと、同じ字でも中国と日本ではイメージが違ったりするケースもあるみたいですが、そこは分からないので無視します。
(たとえば「光」という字は、日本では”希望”といったプラスイメージを持つけど、中国では”消滅”といったマイナスイメージを持つらしい。)

ということで、
「練達」については、「練」には”手をかけ、良いものにする”という意味、「達」には”ゆきつく”という意味がある。
「朴魯」については、「朴」には”自然のまま”という意味、「魯」には”にぶい”という意味がある。
で、この2つが対になる存在なんで、「練達」は”技術を求める人”、「朴魯」は”素朴で愚直な人”と解釈。

「曲謹」については、「曲」には”心情を詳しく述べる”という意味、「謹」には”気を引き締めておろそかにしない”という意味がある。
「疎狂」については、「疎」には”あらい”という意味、「狂」は”一事に集中して生活の均衡を失う”という意味がある。
で、この2つが対になる存在なんで、「曲謹」は”言葉巧みで立場重視の人”、「疎狂」は”粗雑だけど一生懸命な人”と解釈。

「点染」については、聞きなれない言葉ですが、熟語としては”そめつける”という意味。
「機械」については、「機」には”しおどき”という意味、「械」は”しかけ”という意味があるんで、「機械もまた深し」で”精通している”と解釈してみました。


それぞれの単語の意味を上記の通りとすると、前半2行と後半2行の意味が単純には繋がらないんですよね。
「世を渉る」を権謀術数ととらえれば、本に書かれているように意味が通じますが、私はそんな世界には生きてないので、それとは別の道を探ってみた結果、上の解釈となりました。
以上、「己の本質を磨く事が大事」って話でした。



(。・ω・。)

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