言葉喫茶【Only Once】

旅の途中で休憩中。

きこえた

2020-09-04 23:26:48 | 言葉






冷めてしまった
コーヒーがもらした
ため息

炭酸水が
ただの水になった瞬間の
静けさ

夏の終わりに
茂る庭で声をかさね合う
虫たちの唄

冷えてゆく
コンクリートの上に響く
ひとり分の足音

カラン、と
氷がグラスの中で
力を失い

チリン、と
風に揺れた風鈴が
夜に響く

普段はきこえなかった
朝の、昼の、夜の、
町の音に気づく

いつの日も
音で満ちあふれている
この世界を 迎えては 見送る毎日


今日
あなたは
どんな音を聞いただろうか

そして

明日
わたしは
どんな音を耳にするだろう




























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2 コメント

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Unknown (saruru1791)
2020-09-05 08:25:37
おはようございます

音って何気なく聴いていましたけど 炭酸水の泡が消えていく音も、アイスコーヒーの氷のカランとした音や ザックとした音も 何か 語りかけているのかもーーーーそんな気持ちで 読ませてもらいました
素敵な きれいな 詩ですねーーー
良い一日をーーー
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Unknown (harapekoyuyu0718)
2020-09-05 08:47:43
@saruru1791 saruruさんへ。

おはようございます。
お読み下さり、ありがとうございます。

無心になるひと時に聴こえる些細な音が好きなのですが、
よほど余裕がある時でないと、なかなか聴こえないものですね。

形あるものの声、形を持たないものの声。
どちらも時おり、
心の中でつぶやいた言葉へ相づちを打つように声を上げる事があります。

本当は日常の中は不思議がいっぱい。
秋の入口はそんな不思議な音がたくさん聴こえる場所ですね。

コメント、ありがとうございました!
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