言葉喫茶【Only Once】

旅の途中で休憩中。

八月の終わりに

2020-08-22 22:00:00 | 言葉



雨上がりの朝。歩き慣れた道から立ちこめる、
カルキのような匂い。八月も暮れゆく町に零れ
た百日紅の涙。濡れて黒々としたアスファルト
につかの間描かれた、名前の無い星座の群れ。


うす紅
くれない
グラデーション

一瞬
一秒
一分が積もれば
一時間
さらに降り積もり
一日
そして
一年

春、夏、秋、冬

時計の針は夏と秋のあいだ
足もとから伸びるわたしの影も
だんだん濃くなってゆく
暮れる季節と共に


雨上がりの、見慣れたはずの町が、色鮮やかに
映る朝。立ち止まり、頭を垂れている百日紅の
花束だけに聴こえるように、つぶやく。


わたしもまた
夏の終わりに生まれてきたのです 


















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2 コメント

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Unknown (saruru1791)
2020-08-24 07:18:01
夜半雨が降ったみたい 路面が濡れていますーー今気づきました
夏も 終わりに近づいてきたのかも 実感しています

つかの間のひと時を お邪魔して―ーリラックスしています
いい一日をーーー
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Unknown (harapekoyuyu0718)
2020-08-24 08:10:58
@saruru1791 saruruさんへ。

おはようございます。
いつもお読み下さり、ありがとうございます。

この時期だと、雨ではなく夜露かもしれませんね。
こちらでもそのような光景、朝に見かけます。
雨でもそれはそれで好きな光景であり、匂いなのですが。

今日も良い一日をお過ごしくださいね。
ありがとうございました。
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