「おねがいします~。」と入ってきたその方、何にも思い当たることが無いのに、今朝からちょっと頚が痛かったそうです。
いつも通り出勤して働いているうち、昼近くなるころにはますますひどくなってきました。
もちろん患者さんの前では普段通りにこやかに仕事をこなして見せましたが、昼休みのロッカールームでは、あんまり痛いので着替えも一苦労です。
「痛い、痛い!」とあたりかまわず言いながら昼休みを過ごしていたのが、同僚医師の耳にとまり、勧められて鍼治療をしてみる気になりました。
「うちの病院、整形もあるけど、シップと痛み止めだもの・・・。」
「シップと痛み止めでも、効くときは効くんですから…。まあ、そうおっしゃらずに…。」
「あんまり痛がってたら、〇▲先生がハリしてもらいなさいって言って、電話してくださったんです。」
「そうでしたか。どれどれ、右回旋が制限ありますね。これじゃ、運転大変だったでしょう。左しか確認できませんねぇ。うちではハリと、お灸と、マッサージをしますけど…。」
「治るならな~んでもしてください!」
頚痛や寝違えのツボ落枕をファーストチョイスし、首から背中にかけてゆるめ、さらに動かして痛む
ポイントを刺し、皮内鍼を留めて仕上げます。
「あら、さっきよりずっといいわ…?」
「明日になれば、もっと良くなるはずですが、気になるようならもう一回ぐらいした方がいいかもしれません。」
二日後、もう一度おいでになって、
「格段に良くなったの!みんなもびっくりしてたっけ。」
とおっしゃって、
「実は、ここ、歩くと亀裂骨折した痕がの~。痛いなやの~。」」
首が気にならなくなったら、今度は別のところが気になるということでしたので、その日はそこも含めた全体的な手当てをしました。
自覚が無くても疲れが溜まっていたり、深いコリがあったりすると、思いがけなくちょっとしたきっかけで痛みが出ることもあるということだったのでしょう。
〇×病院の▲■川先生のご紹介だからと言って、プレッシャーを感じたりすることはちっともなかったけれど、辛いのがおさまってめでたしめでたし一件落着でした。
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