わくわく!バンジージャンプするっ!

好きなものや気になることについていろいろ語ってみようと思います。

お出かけ。 お留守番は『慟哭』で

2008-01-11 08:27:10 | 創作文『慟哭』
おはようございます。
これからおデート
に行ってまいります。
楽しそうなところですので帰ってきたらご報告できればと思います。

では、こちらには久々主演 カン・ミンウ『慟哭』を。
あんまり上げないと忘れられちゃうものね・・。

続き昨夜考えながら眠ったら・・朝になってしまった・・
・・・というわけでエンディングはまだ決まっていません。

どんな話か忘れちゃった方
初めてだよ・・とおっしゃる方

コチラ

『カンミンウを語る』

『慟哭 1』

『慟哭 2』

『慟哭 3』

では・・今日はこちらからどうぞ。

実を言うと・・この回あんまり自信ない。青すぎたかな。(オイオイ


『慟哭 4』


「お疲れ様。」

「お疲れ様でした。」

杯を酌み交わす。

沈黙・・・・・・・

どう切り出そうか。

重要参考人の取り調べのときでさえ澱みなく自分の思いを口にできるミンウだったが今夜は勝手が違う。

何故か口が重い。

気づかぬ間に酒瓶はみるみると空いていく。

「検事・・少し飲みすぎだと・・」

黙って見ていたユンスもあまりのピッチの速さに心配して声をかけた。

「・・・ハン・ユンスさん、このまま残って僕と組んでくれないかって頼んだらどうする?」

「え?」

心のどこかでそう言われることを期待していたユンスは動揺して返す言葉を失った。

「・・・困るよな。

ユンスさんは優秀で検事の間でも人気が高い。

みんな君を頼りにしている。

中には君がいないと仕事ができないなんていう検事さえいるのにはびっくりしたけど。

・・みんな君を待ってるんだから。

僕が独り占めするわけにはいかないよな。」


ミンウはそういうと杯をくっと飲み干してケラケラと笑った。

「ソン検事の公判の準備がありますし・・・」

ユンスはそう答え、

「その後なら戻っても・・・」

と言葉をつなごうと口を開こうとしたそのとき、

ミンウは彼女の答えを恐れるかのように一方的に話し始めた。

「いや、いいんだ。

忘れて。今の話。

君なら僕と組まなくても十分に能力を発揮できる職場がいくらでもある。

僕のわがままだ。すまない。

変なこと言って。

しかしユンスさんの観察力の鋭さにはびっくりだよ・・・・」

ユンスは目の前で饒舌に語るミンウをじっと眺めていた。

溢れるほどの正義感と一見周りの物が理解できないほどの思考の速さと行動力。

柔軟な発想。

底知れぬ好奇心と探究心。

分析力・・・取調べや事情聴取で発揮される駆け引きの巧みさ・・・

この半月、彼と仕事をして驚いたことは数え切れない。


冗談とわかっていても甘い言葉を投げかけられて心が揺れなかったといえば嘘になる。

能面のように表情を変えないようにいることにどれほどの労力を費やしただろう。

こんな風に胸がきゅっと痛くなるもの今夜が最後だ。

やはり彼と離れるのが自分の宿命だ。

こうやって彼を間近で見るのも今夜で終わり・・・。

口に出しかけた言葉をユンスはぐっと飲み込んだ。


「ユンスさん、聞いてる?

結局君は最後まで僕にタメ口を聞いてくれなかった。

今夜ぐらい敬語使わないでよ。

同い年なんだし。

今夜はただの同僚。最後の夜なんだから。

ねえ、ところで君はどうして検察事務官になったのかな?

ずっと観察していたけど・・この半月、君の事は全くわからなかった。

ほとんど隙がないし。

最後ぐらい君の話を聞かせてほしいな。

僕は君に興味がある。

興味はあるけど・・誤解しないで。

特別な感情があるわけじゃないから。僕は独身主義者だし。」

この人は何を急に言い出すのか・・驚いたユンスは彼の顔をまじまじと見つめた。

すっかり酔っているのだろうか。

目つきも怪しくろれつもすでに回っていない。

「完全な酔っ払いだわ・・」

ユンスは目の前で叫ぶミンウを見て苦笑いをした。

「そう。やればできるじゃないか。

ターミネーター。

笑ってる方がずっと魅力的だ・・

いやいやいかん。俺は・・・・。」

そう言いかけるとミンウは首を激しく振った。

そしてユンスの隣の席に移ってきた彼はためらうことなくユンスの肩に手を回した。

驚くユンスを尻目に酔った彼は叫び続けている。

「ハン・ユンス!君は最高に優秀だ。

でも、もっと笑えよ。

可愛いんだから。でも・・・いかんいかん。

・・・・俺は結婚はしない・・そうだ・・俺は独身主義なんだ。」

カン検事は明日このことを覚えているんだろうか・・・。

どうせ酔っ払い相手だ。

目の前のおでんをくわえながらユンスはにっこりと微笑んで尋ねる。

「何で独身主義なんですか。カン検事。」

「おお・・一日に二回も君が笑ったのを見たのは初めてだ。

ほら飲んで。でも、敬語だから教えてやらない。」

ユンスの杯に酒を注ぐ手元も怪しい。

「わかったわ。おい、カン・ミンウ、何で独身主義なのか説明して」

「おっ!ユンスさんがタメ口きいてる。

奇跡だ・・。俺酔っ払ってるのかな。

それに俺が何で独身主義なのか聞いてるし・・・

ユンスさん、俺に気が合ったりして・・」

ミンウは嬉しそうに上目遣いにユンスを見つめる。

「ただ興味があるだけです。カン検事が何度も繰り返すから・・」

「何だ、そっか。ま、いっか。じゃ、俺が独身主義者になった理由を教えてあげよう。」

そういうとミンウは話し始めた。



「僕のうちは代々検事の家系で。

曽祖父も祖父も父も検事なんだ。

代々仕事一筋で欲のない人たちだったから財産なんてろくになくて。

今住んでいる家ぐらいかな・・金目のものは。

家があったって僕には家族の思い出なんかろくにない。

僕の父は忙しい人でその日のうちに家に帰ってくることなんてまずなくて、

一緒に遊んだ記憶もないし、家で会った記憶だって数えるほどしかない。

父の記憶といえば僕は小さいころ体が弱くてよく熱を出したんだけど、

うなされて眠っていると夜中に帰ってきた父が大きな手を僕の額に当ててくれて・・・

翌日は不思議と熱が下がっていたことぐらいかな。

子供心に父はすごい人なのかもしれないって妙なことを思ってね。

そんな父は心臓が悪くて勤務中に倒れてあっけなく亡くなった。もう10年になる。

まだ僕は学生でね。

母は本当に平凡な女性。

一生父の帰りを黙って待っている。そんな人だったな。

父が関与した事件を新聞で見ては

「お父様は社会のため人のために毎日働いている立派な方なのよ」

ってお題目のように唱えてた。

そんな母も2年前に他界した。

病気だったのを僕に隠していて倒れたときには僕は事件で東京に行っていて看取ってあげることもできなかった・・。

母はずっと一人ぼっちでさびしかったんじゃないかな。

可愛そうでね。親不孝な息子だよ。で、僕も結局一人ぼっちってわけ。」

ミンウは話しながら身体をグラグラと揺らしている。

今にも倒れそうだ。

見ているユンスは気が気ではない。

「そんなこと・・・。

きっとお母様には自慢の息子さんだったと思いますよ。

立派に息子を育て上げたってお父様にも自慢していらっしゃるに違いありません。

検事だって一人なんかじゃ・・」

ユンスがそこまで言いかけた言葉をさえぎるようにミンウは話を続けた。

「僕はね。ユンスさん。

父を尊敬しながらも父のようにはなりたくないって思っていたんだ。

いつも家族をほっぽりぱなしで。

でも、結局血なのかな。

僕も父のように仕事ばかり一生懸命な人生を送っている。

きっと結婚しても僕の奥さんは母のように僕を待ち続けて年をとってさびしい一生を送るんだろうと思うと可哀想だし・・

夫として父としてやっていく自信がないんだ。

だから僕は結婚しないって決めた。

・・・・残念だな。

ユンスさんみたいに素敵な人に出会えたのに・・・。」

冗談めかしてそこまで話すとミンウはうつむいたまま動かない。

「カン検事、大丈夫ですか?」


冗談だとわかっていてもこんな彼の言葉を聞くと胸がきゅっと痛くなる。

覚えていないなら言いたいことが山ほどあるけれど・・・

彼ならふとしらふになって冷静に聞いているかもしれない。

言いたい事は言わずにおこう。

でも・・・一言ぐらい言っても・・これだけ酔っていれば覚えていないかもしれないし・・

最後に一言だけ・・。

ユンスは間近にある彼の顔をそっと見る。


「カン検事、意外にお酒弱いんですね。

今夜のことはお互い忘れること。約束できますか?」

「え?何?」

「忘れるって約束できるかって聞いてるの。」

ユンスは隣にいるミンウの耳を引っ張った。

「いたたた・・・わかった。わかりました。

忘れると約束します。事務官様」

「よろしい。」

「カン・ミンウ、あなたは私が出会った中で最高の検事。

最高の男だと思う。半月最高に楽しかった。

ありがとう。でもね。私も独身主義者。

あなたのような素敵な人に会えたのに残念だわ。」

ユンスはそういうとじっとミンウの目を見つめた。

彼のうつろな瞳に吸い込まれそうだ・・酔っているのか・・ユンスは気がつくとそっと彼にキスをしていた。

突然の出来事に何が起こったのかわからないミンウは目をシバシバさせている。

「では、検事、明日、早朝から勤務がありますのでお先に失礼します。」

我に返ったユンスはそういうと素早く席を立った。

「え?」

「では、これからのご活躍期待しています。お世話になりました。」

「ちょっとユンスさん、待って待って待ってよ・・。」

ミンウはそうつぶやきながらテーブルに突っ伏したまま。

これでいいんだ・・・私の判断にいつも間違いはない。

自信を持ちなさい。ハン・ユンス

ユンスは自分に語りかけながら振り向くことなく歩き続けた。


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18 Comments

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きゃ~ミンウだ♪ (ひらりママ)
2008-01-11 10:37:42
haruさ~ん ~(=^‥^)ノ☆ おはよぉニャ!

ミンウだよ~ミンウが酔っ払ってるよ~
いつも、冷静沈着な彼の、酔ってる姿なんて、他では絶対に見れない私も見たい・見たい~

haruさん、今日はおデートなのねいいな~
楽しい報告待ってますね
返信する
待ってました~ (キャサリン)
2008-01-11 21:29:36
今晩は!
きゃ~ミンウだ♪2
続きが読みたい、読みたい~
お出掛けなのに有り難うです。
嬉しいわ恋の駆け引きどうなるのかしら?
ドキドキです。
続き頑張って下さいませませ
返信する
久しぶりだぁ!! (クレオ)
2008-01-11 23:01:51
haruさん~嬉しいよぉ
ミンウだよぉ

あのミンウが泥酔している・・・
泥酔したミンウ可愛いね。

こんな可愛いミンウを抱きしめてあげたいわ!

これからユンスとのstoryが始まるのかな?
楽しみですぅ

今日のデートはどちらまで?
よかったらお聞かせくださいね
返信する
めずらしいもの (ひらりママさんへ)
2008-01-11 23:05:40
ひらりママさん、コメありがとうです~。
そうなの。
このシーンとても貴重です。
いつも冷静沈着な彼にどう自分も気づいていない本音を語らせるか・・・
行き着いたのが「よっぱらい」でした。
このミンウはまだ若いのでこんな感じ。
この彼がこの先どうしてあの彼になるのか・・
楽しんでいただけると嬉しいです。
返信する
恋の予感くらい?(笑) (キャサリンさんへ)
2008-01-11 23:13:31
キャサリンさん、コメありがとうです~
恋の駆け引きね。
まだ「予感」くらいですが。
この先押したり引いたりの予定
まだ、エンディングが書けていないので
どんなペースでUPできるかわかりませんが、よろしければコツコツ覗いてくださいませ~
返信する
可愛いでしょ? (クレオさんへ)
2008-01-11 23:36:05
クレオさん、コメありがとうです~。
オンタイムお付き合い頂いてチャットみたい。
ありがとうです~
さて、このミンウお楽しみいただけたようで何よりです。
若くて純真でちょっと可愛いでしょ。
当初イメージ的には外見ミンチョルに近い彼を想像していたのですが(笑)
ちょいと違う・・やっぱボムス・・・いや、それだと人なつっこすぎる・・・
ちょっと近寄りがたい部分もあった方がいいかな・・
なんていろいろ考えております。
どんなloveになるのか・・
お付き合いいただけると嬉しいです。
今日のご報告、また後日。
とっても楽しかったです~
返信する
うん!うん! (クレオ)
2008-01-11 23:47:12
本当にチャットみたいですね

私もミンウってミンチョルっぽいかな?と
思っていたんです。

haruさんの言うようにミンチョルとも
ちと違うし、人懐っこいのとも違う・・・

では、ミンウはどんな人

haruさん、楽しみに待ってますね
返信する
あけおめ! "慟哭" だ~っ。 (月夜)
2008-01-12 02:41:40
haruさん、今晩は。 月夜です。

年末年始、諸事情ありまして、冬眠しておりました。

改めて、
  明けましておめでとうございます。
  本年もよろしくです。

ミンウ、可愛いです。
"慟哭" って事で、月夜覚悟決めたような.......
まだまだ先なのね。
ミンウ、ユンス、二人の会話と間がいい......
二人のニュアンスの変化.........
二人読みながら、この先、勝手に"想像"(妄想?)して
顔がにやけてる(Rデナカラネ).......

次が楽しみです。
よろしくです。





返信する
おお! (pink)
2008-01-12 20:45:45
haruさん

慟哭だ~~~!
ミンウ、かわいいね!
酔っぱらいミンウ、かなりツボだわ。

これが、慟哭…になっちゃうなんて、切ないね。

続き待ってます。

あ、私のは、まだ先よ。
今、違うのだから。(爆)
返信する
いいよ・・・ (sora)
2008-01-13 02:06:55
haruさん、こんばんわ!
すっかり夜更かし・・・お昼寝しすぎたからね!
酔っ払いはみんな一緒だね!
へらへらでしつこくてどうしょうもない・・・けど、ユンスは酔ってないでしょ?
こんな時酔って本音言っちゃうのは男だけだもんね
このキスが後々どうなっちゃうんだろう~?
この若い青い二人がどうやって『慟哭』なんて事に?先は長いね!じっくり読みたいお話です。続き待ってますね~
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