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北方謙三「水滸伝」一巻

北方謙三「水滸伝」一巻 曙光の章




すでに「北方謙三『水滸伝』」という記事ですでに書きましたが、北方謙三の「水滸伝」は、もともとの原作水滸伝とは筋書きもキャラ設定も異なっています。

この記事では、その第一巻について感想を簡単に書いてみたいと思います。

まずは、大まかなあらすじから。

舞台は十二世紀の中国、北宋末期。国は乱れ、役人は自分の私利私欲を満たすためにしか行動しないようになり、重税と暴政のために民衆は困窮している。
「正しさ」を主張すれば自分の身が危うくなる。
このような状況の中、様々な立場の者たちが世直しという一つの志のもとに集結し、「権力」に立ち向かってゆくこととなる。

物語は禁軍(帝を守る軍)の武術師範で、軍の腐敗を憂える男・王進があらぬ謀反の疑いをかけられ、軍を離れ、都から脱出するところから始まる。そこから、様々な方向に物語は動いていき、腐敗した宋の政府を倒すための準備が着実に進められていく。

1巻では、後に梁山泊の頭領となる宋江・晁蓋や、梁山泊の同志を各地で募る僧・魯智深、また作品中で登場する最強の武将の内の一人である林冲・史進など、様々な魅力あるキャラが登場する。また、敵キャラ(官軍の側の人間)として、スパイ組織・青蓮寺の李富なども登場する。



以上が簡単なあらすじですが、一言でいえばこの「水滸伝」は「革命の物語」であり、「何かを変えたい」と思う人間ならば読むのは結構性に合うのではないかと思われるような物語であると感じます。

この一巻では、その革命にはやはり人の力が必要であり、一人では成し遂げることはできないものなのだということも少し分かるような気がします。

「それは、史進殿が強すぎるからだ。寄り添って、弱さを補わなければならない者の、気持がわからないからだ」
「俺が、強すぎる?」
「そうだ。しかし、虎が強いのと同じように、強いだけだ。悲しい強さだと、俺は思う」


これは、作中での史進と、後に梁山泊の一員となる賊徒・朱武との会話であるが、この会話にそれは端的に表れているといえるでしょう。



さて、このような「水滸伝」、一巻ですが、他にも色々な見どころがありますので、興味のある方はぜひ手に取っていただきたいと思う作品だと思います。

大した感想が書けませんでしたが…笑
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