今の季節、神さまに一年間、お守り下さった
感謝を伝える”年末詣”に行っています。
今回は、愛知県一宮市にある尾張の国の
一宮、真清田神社へ行きました。
真清田神社は、JR尾張一宮駅から
歩いて７～８分のところにある神社です。
７月に行われる七夕祭りで知られています。
昔から繊維産業がさかんな地でしたので、
織物に感謝を捧げる祭りのようです。
今日はちょっと寒い日になりました。
うっすらと雪の積もったご本殿は、
ひときわ清浄な雰囲気です。
七五三のお参りも一段落したようで、
境内に静けさが戻ってきたようです。
いつもより神々しく感じられました。
さて、昨日の大河ドラマ”麒麟がくる”では、
信長が正倉院の宝物である”蘭奢待”という
香木を切り取るシーンがありました。
正倉院の宝物を切り取るなんて恐れ多い…！
公家が驚いてつぶやいていました。
”蘭奢待”は天皇の許しがないと見ることが
できないという、貴重な宝物です。
しかし足利将軍など時の権力者だけは、
これを見ることができるばかりか、
切り取ることまで許されていたようでした。
信長にとって”蘭奢待”を切り取ることは
権力の頂点に立った証のようなもの…。
満足そうな表情だったことが印象的でした。
その”蘭奢待”ですが、奈良国立博物館の
正倉院展で一度見たことがありました。
織田信長と、明治天皇と、足利義政が
ここを切り取った…、と表示されていました。
ドラマの中に登場した”蘭奢待”そのものの
形だった記憶があります。
ドラマの撮影のため、本当に見事に
ホンモノそっくりに作ったのですね…！
信長はこの”蘭奢待”を切り取った後、
織田家家臣にもおすそ分けしたようです。
真清田神社にも”蘭奢待”が伝えられています。
これは信長から分け与えられた”蘭奢待”…。
家臣が、「恐れ多いことだ。これは我が家に
置いておくようなモノではない。格式ある
神社にあるべきものだ。」、と真清田神社に
寄進したと伝えられています。
この神社に寄進された”蘭奢待”のかけらは、
真清田神社の宝物館で見たことがあります。
小枝のような、虫の死骸のようなものでした。
この干からびた虫の死骸みたいなものが、
本当に信長からもらった”蘭奢待”…？
これに関して、神社の方の説明がありました。
「神道の世界では、”こと上げせず”と言って、
ホンモノか偽物か、わざわざ鑑定しません。」
”蘭奢待”はホンモノかもしれないし、
もしかするとニセモノかもしれない…。
それは謎のままにしておきましょう。
そういえば、真清田神社の奥に祀られる
”三明神社”のご祭神もいろいろな説があり、
ご祭神がどなたかと、議論されています。
いまだに結論が出ず、謎のようです。
真清田大神の荒魂だとか、
真清田大神と関係ない、別の神さまだとか、
真清田大神が祀られる以前から、
ここにおいでになった神さまだとか…。
”三明神社”は毎月１日と２２日の早朝から
朝９時までの間、参拝の門が開かれます。
毎月２回、朝の時間帯だけ参拝できる…！
祀られるのは謎の神さま…！というところが、
神社マニア受けしているようですね。
実は、神社の裏側にある大宮公園に入り
”三明神社”のお社の裏側から参拝するなら、
毎日、２４時間参拝できるのですよ～。
ご本殿の裏側から参拝って、いいの…？
ちなみに、同じ愛知県尾張地方にある
熱田神宮では、裏側からも参拝できるよう
ご本殿裏に行ける”心の小径”が作られ、
ちゃんとお賽銭箱も置かれています。
”心の小径”はここから入っていきます。
ご本殿の周り、裏側をぐるりと一周します。
”心の小径”はそれほど混雑していません。
ご本殿前、大勢の人が集まっていても、
裏側に回れば、心静かに参拝できます。
…というワケで私は、裏側からの参拝も
アリなんじゃないかな～、と思います。
ではみなさん、楽しいお参りを…！
