”雲八ねえさん”の歴史スポットめぐり

愛知県犬山市、紅葉の有楽苑へ…!

愛知県犬山市、紅葉の日本庭園、有楽苑へ。

”有楽苑”は国宝の茶室、”如庵”を中心に、

”旧正伝院書院”など、織田有楽斎ゆかりの

建物で構成される、広大な日本庭園です。

 

ここ、国宝犬山城から近いので、「国宝が

2つも見れちゃう犬山」、とPRされています。

 

 

しかし、この国宝茶室”如庵”は、最初から、

犬山城付近にあったものではなかった…。

”有楽苑”は織田有楽斎ゆかりの建物を

他の場所から移して、昭和40年代になって

日本庭園として新たに整備したものです。

 

有楽斎ゆかりの建物は元、京都、建仁寺の

境内にある正伝院に建てられたものでした。

 

 

この建物は明治時代に売却されることになり、

茶室などは財閥の三井家のものとなりました。

 

さらに昭和40年代、名古屋鉄道に譲渡され、

茶室、書院、露地などセットで、大磯にあった

三井別邸から移築して、復元したそうです。

 

 

名古屋鉄道は元あった遊園地を移転して、

跡地に”有楽斎ワールド”を再現した…!

 

この四季それぞれに趣ある日本庭園は、

昭和40年代までは遊園地だったそうです。

ここは昔、子供たちやカップルで賑わった

アミューズメント施設があったのですね…。

 

 

さて、”有楽苑”はこのところ3年ほど、苑内

整備&改修工事でクローズされていました。

2022年の春より、再オープンしています。

 

現在、紅葉が最盛期みたいです…!

ちょうど、”苑内ガイドツアー”の時間になり、

ガイドさんの案内がスタートしました。

誰でも自由にガイドさんに付いて歩いて、

庭や建物の説明を聞くことができました。

 

 

せっかくのチャンス、私たちも参加します。

まず、織田有楽斎の説明から始まりました。

 

織田有楽斎は、織田信長の実の弟です。

信長の弟ではありますが、戦いで活躍する

タイプの武将ではなく、茶の湯の世界で

活躍したアーティスト(?)なんだそうです

苑内には彼のゆかりのものがいろいろ…。

写真は有楽斎が好んだ”有楽椿”です。

 

 

有楽斎は、大坂の陣の時、豊臣・徳川間の

和平調停をした人だ…、と言われています。

 

大河ドラマ”真田丸”では、徳川方のスパイ

のように描かれていたのが印象にあります。

 

 

大坂の陣の後、引退して京都建仁寺境内の

正伝院を再興し、ここに移り住みました。

晩年は、茶の湯一筋の生活だったそうです。

 

彼が建てた国宝の茶室、”如庵”は、彼の

ちょっとした工夫や豊かな独創性で溢れ、

有楽斎のアーティスト魂が感じられます。

 

 

上の写真は有楽斎の茶室、”如庵”です。

ガイドツアーでは、外から覗き見するだけ…。

では、ちょっと内部を覗いてみましょう。

 

説明によると、斜めに作られた壁は今までに

なかった斬新なもの…。壁に古い暦を貼った

ものも、如庵だけに見られるデザインです。

 

 

如庵にある手水鉢は、加藤清正が朝鮮から

持ち帰った品です。秀吉が有楽斎に与えた

もので、釜山の海で波に洗われた自然石…。

有楽斎はこれを”釜山海”と名付けています。

 

手水鉢のお隣には、井筒がありました。

これには、「元和元年 9月2日 有楽」

…と、刻まれているそうです。

 

 

この時期は、大坂の陣が終わった後ですね。

有楽斎が権力者から離れ、茶の湯の道

一筋に進んだ時期だと言われています。

 

有楽斎の類まれな才能は、戦いではなく、

茶の湯の世界で発揮されたようですね。

 

 

茶室”如庵”は、外国の方向けの表示では

”Tea Room Joan”と書かれています。

オシャレなカフェみたいな響きですね。

 

”如庵”を、”ジョアン”とカタカナにすると、

”ジョアン”は、有楽斎の”切支丹ネーム”にも

感じられます。いや、洗礼名と言うのかな…?

もしかして、有楽斎はキリシタンだったかも…。

そんな想像が膨らんできました。それにしても

あの時代の茶人って、切支丹が多いですね。

 

 

ガイドツアーの後は、お抹茶席へ。

苑内の”弘庵”に、お抹茶席がありました。

茶会のための広間のある茶席です。

 

お庭を眺めながら、お抹茶をいただきます。

お菓子は、”有楽風”と名付けられたもの…。

有楽苑オリジナルのお菓子だそうです。

 

 

お菓子は季節により微妙に色合いが変わる

そうです。よく見ると、紅葉をイメージしたのか

アンコの中に少し、オレンジ色が入っています。

 

お抹茶茶碗は、犬山焼でしょうか…?

季節柄、紅葉の絵のお茶碗でした。

 

 

”弘庵”のつくばいは、水琴窟になっています。

水を落とすと、反響する水音がちろちろと

微かに、美しい響きを奏でていました。

 

ガイドツアー、普通なら見過ごしてしまうような

見どころを詳しく説明してもらえて、”有楽苑”を

120%楽しむことができました。オススメです。

 

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