西部の門

近所のショッピングモールそばのホテル隣に、埋め立て公園がある。小高い丘の中央には、大理石で出来たと思われる、『西部の門』が立っている。内側が波打っている四角い門で、漁業にいそしむ人々や魚、アナゴなどがレリーフされている。小高い丘には芝生が目にまぶしい。
この門は、公園入口から斜めに開いている。どことなく、パリの凱旋門みたいなところがあるが、あまり有名ではない。訪れる人もそれほどいない。門に通じる道はない。
わたしには、不思議でならない。なんのために、この門があるのだろうか。公園といえばブランコ、砂場など遊具を連想するが、この公園にあるのはこの門と少女の像、そして開いた頁に文字の描かれた本のモニュメントだけである。
法事のときに、儀式の一環として使うのだろうか。木々が青々と茂るなか、カラスがやたらと鳴いていた。