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平方録

蕎麦屋の偶然

そう言えば1年前にもこの蕎麦屋で蕎麦をすすってたんだっけな…何たる偶然…とフト思った。
外出先で用事を済ませる前に腹ごしらえしようと思って入った蕎麦屋だった。
店内にいささか落ち着きが無いように感じられたのは、昼時で客がそこそこいたからだけではなかった。
店のテレビは驚くべき内容をニュース速報の形で伝えていた。
「アベなんちゃらが銃撃されて病院に運ばれました」
驚いた…
店の中がどことなく落ち着かない雰囲気だったのはこのニュースのせいだった。
客は箸を止めて画面を見つめ、店員は奥の厨房にニュースの内容を途切れ途切れに伝えている…
 
2度目の政権放り出しにもかかわらず「防衛費GNP比2%実現」などとキシ駄政権に指図するような言動は止まなかったし、キングメーカーを気取り始めたころだったかと思う。
政権から退いたんだから大人しくしていればいいものをと苦々しく思っていたものだ。
その張本人が参院選の選挙応援のための街頭演説の最中に銃撃された!
衝撃的であり、且つ不味い、と思った。
そのまま再起不能であればまだしも、車いすで現れたとしても蘇った場合「俺の身体は銃弾を受け止めた体だ。それでも蘇ったのはまだ残された仕事があるからだ」とかなんとかうそぶきながら、ひょとして神格化されるようなことがあったら目も当てられないな…と。
もちろん言論を暴力で封じるなんてことが許されるわけはない。
しかし、この事件が与えた衝撃が今後の社会にどのような化学変化を及ぼしていくのか、どのような受け止めをされる存在となっていくかは重要な関心事であり、個人の安否とともに気になったのは確かだ。

1年が過ぎた今、振り返ってみればそれがアベなんちゃらの遺言でもあるかのように、首相キシ駄は忠犬の如く、言われたままに、何の疑問もないかのように政策をなぞっている。
なぞるだけでなく、それに輪をかけてデコレーションまでつけているのではないか、
挙句、敵のミサイル基地を攻撃するための装備を調えるほか、財界の言いなりとなって防衛産業に体力をつけさせるために、殺傷能力の有無を問わず、兵器の輸出にまで手を染めようとしている。
長い時間をかけて先人が積み上げ、大切に守ってきた様々な事柄を経済原理だけを振りかざして、熟慮も国会論戦もろくにしないで、ことごとく打ち壊そうとしている。
熟慮なき短慮。
それがキシ駄政権の真の姿に他ならない。
こんなことがまかり通るなんてことが、今の国会の有り様であり、政治の劣化もここに極まれりということだろう。
 
ただ、1年経って、懸念されたアベなんちゃらの右傾化のシンボルとしての神格化は見られないようだし、最大派閥・安倍派の後継会長さえ決まらず、安部派自体が漂流しかけているのは当然のことだろうと思う。
熟慮と熟議を大切にする政権の誕生が待ち焦がれる。
 
 
確か去年の7月8日もこの「薬膳そば」を注文したのだった
 
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