平方録

夏を過ごす流儀について

監視の目の厳しい親元を離れてわが家で自由気ままな夏休みを満喫した姫だったが、聞いてみると「夏は嫌い! 」という。

「宿題がいっぱい出て嫌だ」とか「もぉ~暑いんだもん」などと理由を挙げる。
友達が大勢いる学校に毎日通って勉強するのが好きだそうで、長い休みは嫌なのだ。それはそれで分からなくはない。
ボクも小学生のころは宿題にてこずり、宿題さえなければ夏休みは天国だと思っていたから、似たようなものだろう。
暑さ嫌いついても、1年生からこの方ずっと運動会のリレー選手に選ばれているように、人一倍活発な姫は絶えず軽快に動き回っているからその分汗をかく。それが鬱陶しくていやなのだ。
普段暮らす北関東の内陸の町はジイジの海辺の町に比べると夏の温度差は3~4度はあって、そもそも暑い所なのだ。

そんな訳でボクの家にいる間、居間兼食堂にはエアコンが入れられ26~27度に冷やされされていた。
おまけに自分のすぐ近くに扇風機を引き寄せて風を浴び、涼しい顔をしている。
しかし、これは可愛い姫のためだから我慢はするがはっきり言ってボクにはありがたくない。せめて28度にと思ってもそれでは姫には暑すぎるのだ。

車でどこかに出かける時もエアコン全開で走る。
海辺の街を走るのにエアコンなんか不要だろうというのが持論で、交通量の多い都会の中を走る時はさすがにモァッとした汚れた空気が嫌でエアコンにする程度である。
夜寝る時は窓さえ少し開けておけば涼しい風が吹き込んでくるし、風が無くてどうにも暑いなと思う時は扇風機を壁に向けてつけて部屋の空気を動かすだけで済ませている。

とまぁこんな調子なのだが、右を見ても左を見ても同調してくれる人はいないようで、異端視されるのがオチである。
妻は来し方ずっと理解者であり、同調者でもあったのだが、最近年を取るに従って暑さに耐えられなくなってきたようで、姫が来る前のテストだとかなんとか理屈をつけて夜はエアコンを利かせた別の部屋で寝るようになり、以来ずっと続いている。
つまり、家庭内別居ということになった。

長距離を乗る人の多い新幹線の車内はさすがに工夫されていて、寒いと思ったことはないが、在来線の電車に長く乗っていると心底冷え切ってしまうことが多い。
これは乗客が入れ代わり立ち代わり乗り降りすることと、しかも混みあうために温度設定を低めにしているからで、短時間乗る場合には適しているのだが、少し長い時間乗っている人には向かないのだ。
ボクは姫を送り届けた帰り道、在来線のグリーン車に坐って2時間半かけて帰って来たがすっかり冷えてしまって2度もトイレに行く羽目になった。
短パンだったのも追い打ちをかけたようだ。夏の電車に長時間乗る時は「防寒対策」が必要である!

そんなこんなで、昨日一日体がだるくて冷房病に間違いないと思った。
で、汗をだらだら流して冷房病を吹き飛ばそうと炎天下、久しぶりに湘南海岸のサイクリングコースを走ってみたが、土曜日だというのにコース上に人はまばらで、ボクはモノ好きな人間の範疇に入ってしまっているらしい。
姫に好きな季節を聞くと「冬が好き! 」という。
何だよ、ボクとまるっきり正反対じゃないの。

仕方ない、君にはボクの方が合わせることにするよ。







海の家が1軒だけの辻堂海水浴場から見ると景色が白かった



オッ! 片瀬西浜に難民キャンプ出現か


周囲には柵、監視塔がそびえ、熱波から逃れてきた難民用のテントが幾張りも浜辺に並ぶ…
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