趣味は何かと聞かれて「人間観察 !」と答える人がいる。
それも「電車の車内で」とか「繁華街の人混みで」と付け加えるのを耳にすると、じっと坐っていて特段やることがないから、単にジロジロ眺めているだけじゃないのか ?無礼にならないように気を付けてくれよな。目が合ったとか合わないとか…面倒は起こさないでくれ、と思う。。
かつて地下鉄サリン事件で大勢の犠牲者が出た後は、電車に乗るたびに挙動不審な人物が乗ってきて不審な行動をしやしないだろうなと注意を払ったことがあった。
電車の振動というものは眠りを誘うし、あの空間での居眠りは案外気持ちがいいものなのだ。
しかし、あの後はホントに鼻からチョウチンなど出している場合じゃなかったものな。
それはそうと、自転車で心肺機能に喝を入れ、足腰の筋肉を鍛える目的で自転車を走らせていると時々「オヤッ !」という光景を目撃する。
そういう時、スマホで写真だけは撮っておくように心がけている。
秋晴れのない今年の秋、家に縛り付けられていることが多いから、それほどたくさん貯まったわけでもないが、ブログネタも尽きかけてきたので苦し紛れに蔵から出して陽の目を見せてやろうと思う。
見出しの写真はボクが最も好む湘南海岸自転車道を走っている時に出会った光景で、コースわきの一段盛り上がった砂浜にきれいな水色の自転車が停まっているのに目が留まったところから、まず始めるとしよう。
海辺のまっ平らな地形が特徴の湘南地方一帯で人気があるビーチクルーザーという自転車で、ボクが乗っているようなロードバイクと違って速度は出ない代わりに多少の砂にもハンドルを取られることなく走行できる特性を持っているから海辺を走るのにうってつけの自転車である。
この自転車に若い女性が長い髪をたなびかせて乗っている姿は特にいいもので、ボクは出会うたびに嬉しくなる。
しかも、往々にしてこの自転車で海辺を走る女性は短パンを履いていることが普通で、きれいに日に焼けた健康そうな足がにょっきりと見えるのもなおさら好ましい ♪
この湘南の海辺を象徴する自転車の先、波打ち際を見渡せる小高くなったところに、髪の毛の長い若い女性が膝を抱えるようにして座り、じっと海を見ている
しかも写真ではよく分からないが、膝を立てた足に小さな布の一片さえかかっていない
海辺までビーチクルーザーを漕いできて、砂浜に腰を下ろしている彼女の目的は何か…
ボクでお役に立てるなら…とも思うが、そこまでにしておく
視界が良ければ渚の先に富士山が姿を見せるのだが、晴れていたって見通しが効かないこともザラ
それでも気になるものが目の端に引っかかるものである
iphoneで撮っているのでズームアップもこれが限界だが、ボクの視線を捕えたのは全身真っ白な衣服に身を包みながら、にょっきりと長い足を見せて本を読んでいる若い女性の姿である
ビーチクルーザーは茅ケ崎東海岸、ここは鵠沼海岸 湘南の海辺にはいるんですな 一人静かに海を眺めたりしている若い女性が…
♪ 命短し 恋せよ乙女
ところ変わって茅ケ崎海岸
この浸食著しい浜辺に突き出た小さなテラス状の場所に内側に湾曲した半円形のベンチが置かれている
ここを通るたびに、また今日もロージンどもが集まって何やら話をしているな…と気付いてはいた
しかし、何度もそれが重なると、何となく顔ぶれまでが同じなのに気が付くようになったのだった
いつも4、5人 それもボクと同世代か少し上の雰囲気だ まるで井戸端会議
バァさんたちの井戸端会議はつとに知られるところだが、ジジイどものそれは聞いたことがない
ボクがたとえ3日に1度この湘南海岸自転車道を走るとして、3日とも目撃するのだから、おそらく毎日開催の井戸端会議だろう
そんなに毎日毎日話すことがあるというのも驚きで、ジジイ同士がただぺちゃくちゃというのは全国的にもかなり珍しいんじゃないか
テレビで「何これ珍発見」とかいう番組があるが、名所登録の可能性大と見たね
ちなみに井戸端会議は午前中の開催ですよ ここは北側に松林を背負っていて北風を防いでくれて暖かいから、真冬だってやってるよ
それにしても 仲良きことは美しきかな ですな
最後は五輪ヨット競技の拠点に予定されている江ノ島ヨットハーバーに隣接する湘南港岸壁での光景
土日ともなれば大勢の釣り客が詰めかけて竿が林立する場所だが、ごらんのように車いすが2台仲良く並んでいる
左奥のようにバイクが並んでいるのは理解しやすい
しかし、病院や何か老人の療養施設が近くにあるわけでもなし、通常こういう屋外のレジャー施設のような場所ではあまりポピュラーな乗り物とは言えないものが、1台ならともかく2台も仲良く並んでいる…
しかも主の姿はここにはない
「えっ~、私といたしましては、障害のある方が釣りをしたり、気持ちの良い戸外に出ることについて何の偏見もありりませんし、ましてやそれが気に入らないなどと言うつもりは毛頭ございません ハイ」
と言い訳しつつ、それならわざわざ写真に撮った意図は何なんだ !と攻め寄られそうだが、ただ単に珍しいなぁ、バイクも2台、車いすも2台、しかも人気観光地の海辺の釣りスポット…いや、いくら説明してもいい訳になってしまう
実は1台はね、この岸壁周辺に〝住みついて〟いるご仁で、早朝に訪れたりすると一段と高くなった防波堤の上のベンチで寝ていたり、岸壁のトイレで顔を洗ったりしているのを時々見かけるのです
いわばここが生活の場らしく、いつ行ったっているし、自ら釣り糸を垂らして釣り上げた魚を主なたんぱく源にしているらしい
海辺に漁撈民族の末裔が暮らしていたって何の矛盾もないのです ごく自然なことでもありましょう ハイ
まっ、詳しいことは全く分かりませぬが、この場合、類が友を呼んだのかもしれないなぁとシャッターを押しつつ思ったことでありました オシマイ