見出し写真をじっくり見てほしい。
数本のネジバナを写したものだが、左側2本の花の巻き方が左は「右巻き」、右が「左巻き」と、それぞれ別方向のらせんを描いていることがわかる。
ネジバナならどれも同じ向きの巻き方なのかと思っていたら、さに非ず。左右の確率はモノを固定するためのネジが万国共通で右巻きなのに対し、ネジバナはおよそ半々くらいだと、ものの本に書いてあったからネジバナが咲いているのを見るたびに確認してみれば納得できるかもしれない。
これだけでネジバナという花の不思議さが際立つというものだが、なぜらせん状に花を咲かせるのかといえば、花が片側だけについていると花の重みで茎が傾いてしまうからだそうで、それを防ぐためにらせん状に巻くのだそうな。
一つ一つに花をよくよく観察してみると、ラン科の仲間らしくなかなか豪華なつくりになっていて、まさにミニながら豪華絢爛なランの花を彷彿させる。
論より証拠、我が家の数本のネジバナにもちゃんと左右双方が仲良く並んでいた。
そして、蜜を吸いに来る昆虫が蜜を吸いやすいようにわざわざ横向きに花を咲かせているのだが、それゆえなおさらバランスが悪くなり、茎が傾きやすくなってしまうため、らせんの道を選んだというから賢さも極まれりといっていいのではないか。
こんな知識を身に着ける以前から、野にすっくと伸びて咲くピンクの花穂を見るたびに「愛いやつ♪」と一目置いてきたが、こうしたネジバナの隠れた努力を知った後は一層いとおしさが増してきた。
3,4年前のことだが、いとおしさが高じて運動公園の草原に咲いているネジバナを1本、根っ子を崩さないように彫り上げ、我が家に持ち帰って鉢に移植したところ、新たな住処にやっと慣れたのか、今年は10本くらいの茎をのばし一つ一つにネジバナのらせんを描いて見せてくれた♪
こんなにまとまって咲いてくれたのは初めてで、正直うれしい。
これに気をよくして、今後、我が家のあちこちにネジバナの咲く庭を目指そうかなと思う。
花言葉は「思慕」だそうだ。
我が家の鉢の中できれいに咲くネジバナ
一つ一つは小さいがランの花に似てつくりはなかなかしゃれている
確かにねじらないで片側だけに花をつけるとしたら、重さで傾いてしまうだろう
近所の神社の階段脇にも咲いていた
野原に咲くネジバナよりずっと大きく立派だった
多分、何年もこの場所で咲いているのだろうと思わせるほど立派な株だった
おまけ 庭のホトトギスがもう咲きだした
咲き始めのためか、ブルーの色合いが秋に比べるとまだまだ薄い