かつて横須賀線の鎌倉駅から隣町の東海道線辻堂駅を結ぶバス路線があった。
鎌倉駅を発車した江ノ電バスは由比ガ浜通を進み、長谷寺の手前で左折して江ノ電の長谷駅前の踏切を渡り、坂の下で国道134号に出る。
そこから先がこの路線のハイライトで、辻堂駅に入るために右折するところまでずぅ~っと、これでもかというくらい波打ち際を走る。
自家用車と違って大型バスは座面の位置が高いため眺望が極めて良い♪
天気が良ければ車窓左手には真っ青な大海原が広がり、江ノ島や富士山、箱根や天城の峰々の連なりが見渡せる贅沢なものだった。
日本に路線バスは数々あれど、ここまで眺望の良い路線もそうざらには無いんじゃないかと思えるほどだった。
もちろんボクも自分で車を運転するが、鎌倉駅から2、3度、この路線バスに揺られて終点の辻堂駅まで乗った経験がある。
目的はこの路線バスに乗る事。
今はとっくになくなってしまったが、辻堂駅から少し歩いたところの松林を背にしたところにあった寿司屋が気に入って、ちょっと飲んで電車で帰ってきたものだ。
何時頃だったか忘れたが、その寿司屋が姿を消してガッカリしていたら、しばらくして寿司屋の後を追うようにバス路線も姿を消してしまったのである。
理由は明白だった。
何せ、国道134号の鎌倉江ノ島付近は景色の良いことで知られた絶好のドライブコースで、土日・祝日はシーズンを問わず上下方向とも行楽の車で埋まってしまい、夏は夏で海水浴客の車で埋まり、スイスイ走れるのは早朝と深夜ぐらい。
年がら年中渋滞を繰り返すものだから、この路線は定時運行はおろか、一度乗ったら最後、いつになったら目的地に着くか、まったく見当のつかない「役に立たない:」路線になってしまったのである。
あれから何年経つのだろう。
この路線は完全に消滅したと思っていた…
一昨日の連休のはざま、山の神と七里ヶ浜から海沿いに長谷まで散歩した
「あの」路線バスが走っていた国道134号のバス停を見て仰天させられた
どうやら、こういうのを「免許維持路線」と言うらしい
富士山の雪もだいぶ減って来た
昨日の2日は自転車でこの道をパトロールしたが、交通量はそれほどでもなかった
それにしても七里ヶ浜一帯の砂浜の後退ぶりは目に余る
かつて…少なくとも20年前はここまで岩礁が露出することもなく、狭まってはいたが砂浜がちゃんと残っていたのに…
稲村ケ崎海岸 画面中央にチラッと見える砂浜は砂鉄が含まれていて「黒い」のが特徴で、鎌倉時代はここの砂鉄が刀剣など鉄製品作りに利用された