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平方録

タッチタイピングを舞うために

ここ数日間というもの〝気付け薬〟なしでブログを書いているのだが、どうも今一つ調子が出ない。
大概の場合は書きたいテーマさえ見つかれば6割は完成したも同じで、後の4割は筆任せにすればいい。
「筆任せ」ってってのは二昔前までの業界の隠語のようなもので、鉛筆とかボールペン、果てはフェルトペンで書き殴っていた時代の表現だから、さしずめ今の時代に合わせるとすれば「タッチタイピングの舞」って辺りか。
で、気付け薬さえあれば、タイピングのリズムは変幻自由にどんなステップでも踏める(気になる)くらい軽くなるし、そもそもテーマ選びもスムースに行くのだから不思議なものである。
世の中にはなかなかうまく説明しきれないことってのがたくさん存在するが、気付け薬の効能もそのうちの一つだろうと思っている。

んなわけで、たかがブログのためにのたうち回るようなことは真っ平御免という訳で、酒屋に行ってきた。
といってもお気に入りの国産シングルモルトウイスキーは人気が出過ぎて原酒が少なくなりすぎ、もはや少量限定生産になってしまい、とても場末の酒屋には品物そのものが入ってこない。
そういう時には、これまではスコットランドはアイラ島で蒸留される「ヨードチンキの匂いのする曲者」を飲んでいたのだが、あれも某日本の大手洋酒メーカーが買収して以来、味が微妙に変わってしまったような気がして今一つ心の底から喜べないでいるのだ。
小うるさいことを言っているようだが、だからこそ「嗜好品」と呼ばれるのであって、それを好む人間にとってはたまらない存在であり、存在価値が弥増すってものこそが嗜好品の嗜好品たる所以なのである。
文句なんて言わせない !
小さな変化はバカに出来ないし、無視なんて金輪際出来っこないのだ。

そこで、酒屋の棚をしげしげと見まわしながら、たまには浮気してやろうと30代から40代前半にかけて大いに熱を上げていたケンタッキーバーボンの黒いラベルが目に留まり、こいつを連れ帰った。
かつては1万円札でわずかなおつりが来ただけのような値段だったが、今やどういう風の吹き回しか知らないが、2000円でおつりがくるような隠居向け価格であるのが嬉しいと同時に、一抹の不安も感じたのである。

昔惚れた女性の残像と言うのは良きにつけ悪しきにつけ、ことのほか増幅されて焼き付いているのが相場とは言え、30年ぶりの再会にその落差は大きかったとしか言いようがない。
当時の印象ではウイスキーの中に焦げたような独特の香りがほのかに立ち、味わいもそこそこにビターなのにのど越しは滑らか…だったような気がするのだがどうも人違いだったとしか言いようがない。
焦げたような香を楽しみに封を切ったのだが…
まぁ、あえて言えばじゃじゃ馬の類で、落ち着きのないこと。こんな子に惚れてたんだっけと言う気分。
歳月は人を待たずってのは嘘じゃないね…なんちゃって。

それにしてもこのご時世で家飲みするヤカラが多くなったと見えて、巷で少し美味しい、あるいはイケると評判が立つ一部の商品が手に入りにくくなっているにはがっかりさせられる。
こういうところも含めて、早く元通りの暮らしに戻ってもらわないと〝気付け薬〟選び一つにも苦労させられる。
イヤハヤ何とも…と梅雨空を見上げて嘆くほかはない。

鎌倉・由比ガ浜海岸の漁師小屋の脇でこんなオブジェのようなものを見つけた
定置網のブイの古くて使えなくなったものを加工したものらしい
見出し写真の旗には「鎌倉漁協」と染め抜かれていた

アマガエルのような顔にも見えるし…
ボク的にはグラサンを2つもぶら下げるくらいなら極小のビキニの水着をぶら下げて欲しかったね

この浜での恐ろしい順ってことだろうか ?

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