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平方録

実に無責任で罪深いのは…

横田滋さんが亡くなったそうだ。
北朝鮮に拉致されためぐみさんのお父さん。
朴訥で人のよさそうな表情の持ち主で、いささかどもり気味のところのある早口で娘の救出を訴え続けてきたが、ついに力尽きてしまった。
胸中の無念さは如何ばかりか。

それにしても拉致問題の解決は「政権の最重要課題」と言ったのは、ほかならぬアベなんちゃら本人じゃなかったのか。
口では勇ましいことを言って期待を抱かせながら、やれることと言ったら国会の中での数を頼んだゴリ押しばかりで、ちょっとしたたかな相手を向こうに回した交渉事となるとからっきしダメで、手も足も出ない。
北方四島返還問題然り然り、拉致問題然り…
それで外交が得意だなんて、笑わせるな。冗談が過ぎる。

2002年に5人の拉致被害者が帰国した当時、小泉内閣の官房副長官だったアベなんちゃらはチャーター機に乗って5人を引き取りに行ったのだが、その後はことあるたびに、「帰国を実現させたのは私の力」と言ってはばからなかったお調子者である。
そりゃぁ5人の帰国に際して引率はしてきたろうけど、そこまでのおぜん立てを調えた水面下でのアヒルの水かきに汗をかいた人物は別にいる。

横田さんたち拉致被害者の会のメンバーたちだって、アベなんちゃらの話を真に受けたわけじゃないだろうが、7年余り前に第2次政権が発足して以来、「政権の最重要課題」とまで公言する内閣を信用して頼ってきたのは当然だろう。
しかし、それが核問題やミサイル開発問題と絡み、圧力一辺倒に変わって以降はかすかな希望は期待外れと失望に代わってしまった。
政権に見放されたと感じた家族も多かったのではないか。
滋さんは失望を通り越した先の絶望の淵に追いやられたのだろうと思うと、いたたまれない気がする。
実(げ)に無責任で罪深いのはアベなんちゃら張本人である。

はっきり言って、この人道問題を自分の政権の人気取り政策の道具としてもてあそんできたという、ボク自身、使いたくないような言葉を使ってまで指摘しなければ気が済まないくらいに腹が立つ。
加えて官房長官のガースだって罪深さは似たようなものだ。
確かあいつが拉致問題担当の国務大臣だろ ! 一体、ヤツは何をやってきたんだ ?
手をこまぬいてきたとしか思えない。

結局、アベなんちゃらとその内閣にはこの問題を解決できる能力はもちろん、もはや意思さえ持っていないということは明らかになった。
横田滋さんの無念の死がそのことを浮き彫りにしている。


見出し写真とも我が家の「空蝉」の2番花

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