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平方録

季節外れのセミの声

昨日一昨日とミンミンゼミの鳴き声を聞いた。

このセミはもともと、他のセミが姿を消してしまった後でも秋の深まりに逆らうように生き残って鳴いているのをしばしば耳にしてきているが、10月も中旬を過ぎたころに聞くのは珍しい。

というか、これほど遅くまで生き残っているミンミンゼミの鳴き声を聞くのはたぶん初めてのことだろうと思う。

鳴いていたと言っても、たった1匹だけで、近所の運動公園に隣接する森の脇を散歩中に森の中から聞こえて来た。
それも2度鳴いただけで、その場を遠ざかったので後は聞いていない。
2度目の昨日はわが家のベランダで聞いた。
運動公園の森の方角からだったので、多分一昨日と同じ蝉だったんじゃないかと思う。
 
…それにしたって、他に生息している仲間がいるんだろうか。
セミが鳴くってことは伴侶を探してのことだろう?
首尾よく見つけられたんだろうか。
仲間が皆だれもいなくなった後に遅れて生まれてきて、子孫を残すために一生懸命に鳴いて伴侶を探すが、辺りには誰もいない…となると憐れとしか言いようがないではないか。
せめて9月くらいなら、まだ仲間はそこそこ残っていただろうに…
 
秋の蝉残る命を鳴きにけり (稲畑汀子)
 
俳句の季語で「秋の蝉」は立秋後に鳴くセミを指すから、まだ残暑の最中の暑いころの事である。
セミたちがまだ元気いっぱいの頃のことだから、10月半ば過ぎの今の時期を想定してのことではないけれど、雰囲気的にはこの句はおあつらえの感じがしてちょうどいいかもしれない。
もっとも、ボクが聞いた鳴き声はもう少し悲壮に聞こえたけどね…
 
ここ2、3日、暖かい日が続いている。
今朝のわが家のパソコン部屋の温度は午前4時過ぎで24℃もあった。
昨日も一昨日も日中は夏日を超えて26℃位にまで気温は上昇したらしい。
ミンミンゼミにとっては十分に生きていける気温だろうが、「やっぱり時期を間違えたんだよキミは」と言うしかないだろう。
地球環境の大変化で、人類の大半が姿を消し、ごく少数の人間だけしか生き残れないような日が来たとしたら…
ついそんなことを想像してしまった。
 
 

わが家でウインターコスモスが咲き出した



 
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