鎌倉を撮り続けている写真家が「鎌倉で一番」と評した貞宗寺のウメを見に行く。
もちろん、もう見ごろだろうと狙いを定めてのことだったが、住職の奥さんらしい人に聞くと「例年、年末から咲き出す紅梅がやっと咲き出したばかりだし、今年は寒さのせいですか、全体に開花が遅いですねぇ」と言っていた。
今朝は午前3時少し前に目が覚め、トイレに行ったが、布団のぬくもりから抜け出たばかりの体に襲い掛かる空気の冷たさは相当なもので、なるほど寒波がぶり返しているのだと改めて実感させられる。
トイレを済ませるとカーテン越しに差しかける月あかりの明るさが気になり、カーテンを開けてみると、半月が真南の中空に浮かんでいる。
冬至を過ぎた後、月はぐんぐん高度を上げ、正月以降は天空のほぼ真上を通過していたはず。
だから一時は月を見るためには、首を痛いくらいに後ろにそらさなければならなかった。
それが立春を過ぎると真冬の太陽同様、低い高度で東から西へと動いていくのは、季節が動いたことの何よりの証拠。
寒いことは寒いが、それは地上の空気の流れによるもので、天体自体の動きは正確に時を刻んで春に向かっている♪
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鎌倉市植木にある貞宗寺のウメはまだこれからが本番
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いくつかはよく咲いていたが…
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例年なら年末から咲き出すというこの紅梅、ようやく盛りを迎えている
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この寺のウメは伸び放題に見えるくらいにしか剪定していないので、遠目には紅白の霞かもやがかかったように"ぼわぁ~ん"と見えて好ましい
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江戸城大奥総取締役を引退した貞宗院(2代将軍秀忠の生母お愛の方の実母)の死後、遺言によって開山された浄土宗の寺
1611年の開山以降、檀家を取らず将軍のみを弔う寺として存在し、歴代将軍が遷化すると幕府から位牌が届き、現在も残っているそうな
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本堂隣の庫裏のわきには見事な紅梅の巨木があるが…
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ようやくほころび始めたところ
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白梅の咲き具合はまだら模様
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住職の奥さんは「寒波が来ているし、見ごろは10日くらい先でしょうか…」と言っていた
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本堂脇のモクレンにはツボミがたくさん
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しかし、ツボミはまだ小さく、硬い
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ミツマタももう少し時間がかかりそう
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昨日の富士山 文字通り肌を切るような寒さの中にそびえていた=近所のビューポイントから
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稲村ケ崎から
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年に何度もないクリアカットな空気がまたとない視界を提供してくれていた
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はるか天城連山までを一望する
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最後のショットは松を鳥居に見立て…