一昨日昨日とわが海辺の町は日が射すことも無く、1日中厚い雲に覆われ続けた。
おまけに、北寄りの風がびゅうびゅうと吹きつけてきて鬱陶しいやら震え上がるやら…
天気図を見ると真冬に現れる典型的な西高東低型の気圧配置で、この気圧配置が現れると日本海側は曇り空で雪が降ったりして愚図つくが、太平洋側は良く晴れて空気が乾燥する。
だから気象予報のサイトで天気図を確かめ、この西高東低の気圧配置でいれば「明日も晴れるな」と予測が付けやすい。
つまり「青空が広がる良い天気」が約束された気圧配置のはずなのである。
中学校の地理かなにかで学んだニッポンの気象の常識の一つである。
一昨日と昨日の天気図も「それ」だった。
あぁ、それなのにそれなのに…
一昨日は北関東はピーカンで空っ風が吹き抜けていたようだが、東京辺りから南は雲に覆われ、昨日は東京も横浜も晴れているのに、横須賀線で言うと戸塚と大船の間辺りを境目として南側には厚い雲が居座り続けた。
家の窓から北の方角を覗くと、すぐ近くまで広々した青空が広がっているのに、それ以上は広がらず、やがて日も暮れてしまった。
何という意地の悪さ!
最近知ったのだが「房総前線」のなせる業だという。
何なんだよ「房総前線」って。初めて聞いたぞっ。
ウィキによれば「主に寒候期に房総半島のすぐ南海上から伊豆半島付近にかけて発生する局地的な前線。今日ではあまり用いられない用語であるが、発生すると関東地方南部(と伊豆諸島)に曇天を、時には降雨や降雪をもたらす。範囲は狭く、天気変化も激しくはない。しかし、人口密集地にかかるため天気予報上重要である」と言うことらしい。
これは日本列島が関東平野のところで折れ曲がっているのが原因で生じる現象らしく、北からの気流と西からの気流が房総半島の沖から伊豆半島にかけての海域でぶつかり合うことで小さな前線ができ、太陽の光を遮るんだそうな。
なんだよ、目の前に広がる相模湾に出来る前線ってことじゃないか…。産地直送?地産地消?…関係ないか。
そして見逃せない記述があった。
「房総前線が発生しても、関東平野の北部はそれに関係なく晴天であり、箱根より西もほとんど影響を受けない。しかし、南関東(と茨城県の一部)は曇り空となり、時には雨や雪が降る。曇天の範囲は狭いが、その中に東京、横浜、千葉などの大都市があり、悪天候の影響が大きくなる。周辺地域はみな晴なので東京付近もすぐに天気が回復しそうに見えるが、実際には長時間持続し、特に冬季には数日に及ぶことがある」
まさにこの2日間をドンピシャリと表現した内容になっている。
テレビの天気予報に出てきて、自信満々、ドヤ顔で解説しているオニイさん、オネエさんたちに言いたい。
「もうちょっと勉強して房総前線のことも念頭に予報しておくれよ。何てったって影響を受ける人口が多いんだからさ。北からと西からの気流を読まなくっちゃ。頼むぜ」
キーボードを叩くとまず最初に変換されて出てくるのが「暴走前線」。
まさか、手に負えない「暴走」でかたずけちまおうって魂胆じゃあるまいな。
円覚寺・黄梅院のマンサクが満開になっている