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平方録

雪の記憶

"大寒のぽかぽか陽気"などという頓珍漢な天気は長続きするはずもなく、南関東の海辺の街には例年並みの寒さが戻って、これが春を待ちわびる寒さ嫌いのジジイには案外骨身に沁みる。

いっそ雪でも降り積もってくれればあきらめ(?)もつくだろうし、寒いのなんのと言っていられない状況も生まれるかもしれない…などと、やけっぱちなことを思ったりもする。

ところで直近ではどの程度の雪が積もったのかと、パソコンに保存してある写真を手繰ってみたら2018年1月22日に行きついた。

これはよく覚えている。

この雪の後2、3日して山の神の90歳を超えた母親が亡くなっているので忘れようがない。

入院先の病院から呼び出しがあって、山の神と2人で病院のベッドの脇で見守っているさなか、山の神が「あらっ、息してないみたい」と気づいて医者を呼び、それが臨終だった。

実際のところ、ボクにはよく聞こえなかったが、義母は静かな寝息を立てていたそうである。

その寝息が何の前触れもなく静かに止まった…娘にはそれがすぐに分かったということのようだった。

ローソクだって消える瞬間には炎はひと揺れしてから燃え尽きる。

義母の場合の燃え尽き方は、炎を揺らすこともなく、まことに静かなものだった。

正午を少し過ぎたころの時間帯ではなかったかと思う。

外に出ると空気や風は冷たかったが、もう雪は消えていてどこにも残っていなかった。

 

近所の池と森の公園の雪景色 お気に入りの1枚♪

近所の畑の雪景色

前日から積もりだし、夜中にベランダを写してみると、こんな感じだった

わが家の前は坂道になっていて、小学生の通学路でもあり、滑って転んでは一大事と、早朝から住民が繰り出し、雪をかくスコップの音が住宅街に響いた

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