慌てて時計を見ると5時15分である。4時に枕もとのラジオが鳴り出したのは知っていて、消したのも記憶している。
消すと同時に起き出すのだが、今朝はどういう風の吹き回しか「一瞬だけ」と目を閉じたのも覚えている。
何のことはない、そこから1時間15分が「一瞬にして」経過しただけなのだ。
寝坊って久しぶりですナ。軽い自己嫌悪がありますナ。
さて、使うべきか、それとも使わざるべきか、オフィーリアにも相談したい気分だったが、横浜イングリッシュガーデンの河合スーパーバイザーの「はびこらせてしまうと厄介ですよ。全体に使うのではなくて、花芽だけに散布するとか、工夫次第ですよ」というアドバイスがボクの心に居座り始めたんである。
わが家で育てているバラへの農薬散布のこと。
暖かくなってきて花芽や若葉が成長してくるにつれて被害が拡大しているバラゾウムシ対策のことである。
体長わずか3~4ミリしかなく、いつも葉と葉の間に潜んでいるのでとても見つけにくく、象のように長い鼻を蕾にブスリとさして液を吸い、あるいは新しくて柔らかな茎にも鼻を刺して液を吸うから、いったん刺されてしまうと蕾や茎は枯れてしまうんである。
膨らみ始めたばかりの蕾が次から次へと頭をだらりと下げる姿を見ると、がっかりして鳴きたくなり、心が折れそうになるんである。
農薬を散布すればかなりの頻度で被害を食い止めることができるのだが、わが家には幼児も遊びに来るし、鳥や昆虫の類とも共存していたいと考え、テントウムシやらカマキリやら、カナヘビやら鳥たちにに手伝ってもらって害虫を駆除してもらい、後はボクが目視で見つけ次第退治していけばいいやと思っていたんである。
去年から始めたのだが、今年のバラゾウムシ被害の拡大ペースは河合スーパーバイザーの懸念通り、はびこり始めたような気配なのである。
玄関を出たところのフェンスに絡ませているローゼンタールシュパリースホープは株がだいぶ成長したおかげで、今年の花芽の付き具合は去年の倍くらいになるんじゃないかと思わせるほどに順調なのである。
が、しかし、ここは文字をゴシックにして文字自体も大きくして強調したい気分なのだが、半分かそれ以上の花芽が被害に遭ってしまっているのだ。
「無農薬! 」と高々と看板を掲げていて情けない話だが、甚大な被害を目の当たりにすると、やはり考えざるを得ないんである。
植物を原料にした植物由来の殺虫剤があると聞いて、せめてそういう環境への負荷の少ないものを使おうと園芸店に出向いたのだが、注意書きを読むと害虫を見つけたうえで害虫にたっぷり液を噴霧し、液で身体を包んで窒息させる方式の殺虫剤なんである。
アブラムシには効果が期待できるようだが、バラゾウムシのように見つけるのがなかなか困難な害虫には不向きで、見つかるくらいなら捕まえてひねりつぶせばいいのだが、それができないので悩んでいるのだ。
何種類かの農薬の説明書きをタメツスガメツしてみたが、結局バラの病害虫用に販売されているスプレーを使ってみることにした。
とりあえずバラの花芽だけに散布してみたので、効果のほどはを見守るつもりである。
結果的に「無農薬」の看板を下ろすことになってしまって、内心忸怩たるものはあるが、害虫の被害だらけのバラを育てるのはどう考えたってばかげた話なのだ。
ゼロか100かのオールオアナッシングで考えるから心が乱れるんで、河合スーパーバイザーが言うように、必要なものを最小限だけ使ってみるというやり方も十分考慮に値するのである。
ワイズユース、賢い利用ってやつですね。言い訳にしか聞こえませんかねぇ。
今回使ったスプレーは成分が葉からしみこむので、効能は1か月間持続するらしい。
オフィーリア、随分と悩んだんだ。お願いだ、ボクの複雑な胸中を察してくれないか。
益虫たちと共存が可能だと嬉しいのだが…。
去年の秋のわが精神状態がどうだったのか、春の庭の色遣いは失敗である。もう少し明るい暖色系の色が入っても良かったと思う
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