降っていなくても、よしんばピーカンの空が広がっていようとも、天気予報が降るかもしれないと予報すると素直に従って折り畳み傘などを持ち歩くのが平均的な日本人だろうと思う。
だが、少しヘソが曲がっているボクは台風が近づいているとか、よほどのことがない限り家を出るときに降っていなければ傘は持って出ない。
持たないで出て、それで降られたらその時考えればいいのであって、コンビニでビニール傘を買うこともできるし、大きな木の下で雨宿りをしながら右往左往する周囲の光景を眺めるのも楽しい。
喫茶店に逃げ込むとか、夕方ならバーとか居酒屋での雨宿りもオツである。
要は行き当たりばったりでいいじゃん、その時考えよっ!というのがポリシー。
そう思っていたら、イタリアのキザ男たちに囲まれて小説を書いている塩野七生が何かの文章に「降ってもいないのに雨具をカバンに忍ばせて家を出るようなオトコは大嫌い」と書いているのを読んで、ほらみろ!世の中にはそういう目でオトコを見ている成熟した女性もいるのだ、と膝を打った覚えがある。
昨日、八幡さまの境内で降り出した際にそこいら中でパッと傘の花が開いたのは用意周到な日本人観光客が多かったためだろう。
修学旅行の中学生たちは日頃から飼いならされていると見えて、こういう時は100%で傘を取り出す。
これに対して欧米系の外国人は濡れながら平気で歩いているものである。
電動車いすに乗って濡れながら行く外国人男性の後を、どこかの制服を着た女性がビニ傘を持って追いかけていたが、ああいう親切はどこの国でも見られるのだろうか。
ところでボクはこの日、折り畳み傘を持って家を出た。
何だ、いい加減な奴めと思われるかもしれないが、この日はスケジュールが詰まっていて、句会が終わるとすぐに新幹線に飛び乗って姫のところに出かける予定が入っていたのだ。
のんびり雨宿りしているような時間はなかったのだ。
こういうのを「君子は豹変する」というのであって、何のことはない、ボクはクンシでもあることを実践しただけである。
昨日の兼題は「茸飯」。ボクの提出句は5つ。
友集い訛り丸出し茸飯
この島もまだまだ更地松茸飯食う
(あれから7年の気仙沼大島にて)
野分来て大仏さんも塩まみれ
のっぺりと歩きたくなる秋の海
無患子(むくろじ)の実を拾いつつ宝戒寺
滅亡した北条氏を弔うため後醍醐天皇が足利尊氏に命じて、北条氏の屋敷があった跡地に建てさせたのが宝戒寺。9月には白い萩で埋め尽くされる
本堂。空が曇っていると写真も映えない
境内にはツワブキの花が多かった
無患子の大木がそびえる
足元には実が落ちている
拾った無患子の実。中にある黒い実を乾燥させると羽根つきの黒い羽根玉になる
鎌倉駅のホームに上がったら西の空が燃えていた
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heihoroku
ひろ
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