平方録

へそ曲がりはいなかったのか

性格がいじけているというか、へその位置が少しずれているんだろうが、他人が我も我もと群がるようなものにはあまり興味がない。
といううより、「俺も」と思う気がちょっとはあっても、そうした状態を見れば、あえてそれに背を向け、避けて通る人生なのである。

別に損得で生きているわけではないが、こういう態度に終始してきたわが人生の損得勘定はどうなんだろう、と計ってみたい気持ちはないではない。
しかし、自分でジャッジという事になれば、仮に少し損の部分の方が多めだということになったとしても、それも含めてわが人生の選択は間違っていなかったのだ、という結論になるようにしか思えない。
つまり、「損しちゃった」という結論はあり得ないのである。

まぁ、内実はもうちょっと複雑なんだが、そこらへんのことはひとまず脇に置いて、へその位置がひん曲がっていると、社会を見る目というものも、当然素直とは言い難くなるものである。
ものごとはすぐには信用しない。常に疑ってかかったりしてしまうのである。
逆に、一旦信用して信じ込めば容易にその信念は曲げないのだ。
こうした性格は職業を選ぶ時にも頭をもたげたことは言うまでもない。
就いた仕事で、選んだ職場で、来し方40数年役立ってもきたんだと思っている。

と、話を進めてきたのはほかでもない。
三菱自動車の不正の連鎖とその底の見えない深さに、ちょっとびっくりしているからである。
実は社会人になって、最初に買った車が三菱のギャランなのである。
選んだ理由は、猫も杓子も競って乗っているような車とは対極にあったから。
でも、ちょっと気を引かれる技術が搭載され、デザインもストライクゾーンにあったからなのだ。

当時から弱小メーカーだったが、作っている車は合併前のプリンスとか、テントウムシのスバルとか、ロータリーエンジンの東洋工業とか、個性的な経営者が先頭に立っていた本田技研と並んで、技術的にユニークな車を作っていたんである。
思えば以来、次から次に乗り換え、結局3台も乗り換えてしまった。
しかし、今考えて見ると、カーオブザイヤ―を取った2台目のスタイリッシュなギャランは7年目で前輪のサスペンションが壊れ、3台目のレグナムという4輪駆動のワゴン車は、妻が運転中、何と交差点の真ん中でエンジンが止まってしまうという不具合を来したんである。この時も、7年目。

マリリン・モンローに「7年目の浮気」という映画があったが、“7年目の不具合”じゃぁシャレにもならない。
「こんな車、怖くて乗ってられない」と妻が怒ったのも無理はない。
早速買い換えたのがスバルのレガシィで、これは13年乗り続けてもびくともしなかった。

三菱車に乗り続けていた頃には、現在のような度重なる不正が表に出ることもなかったのだが、企業風土と言うものはある日突然芽生えてくるというものでもなかろう。
土壌は以前からあったっと見るべきで、“7年目の不具合”と笑って見過ごせないものがあったんじゃないかと、今さらながら恐ろしい。

フォルクスワーゲンも大うそつきだし、やだね。どういう神経でしれっとうそをつくんだろうか。
モノづくりをしている人に良心というものはないんだろうか、というのが素朴な疑問である。
1人ぐらい、長いものに巻かれないへそ曲がりがいなかったんだろうか。
真面目にコツコツ生きてきた人間にはとても想像がつかないんである。
しかも、まかり間違えば命にかかわる問題である。

これまで提携関係にあった日産が巨額資金を投入して三菱自動車の筆頭株主になるんだそうだが、獅子身中の虫にならなければ幸いである。




♪あぁ~たまぁ~おぉ~くぅもぉおの~う~ぇにぃ~だぁ~しぃ~=片瀬西浜


ここのところの強風で自転車道路に堆積し、至る所にこのような山が出来ている。いちいち降りて押さなければならない。早く取り除いてくれよぉ~
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