平方録

インタビュー受けちゃった

昨日、小学2年生の姫の母親から「名人に聞く、という宿題が出たらしいんだけど、6時半ごろ電話してもいいかしら」というメールが届いた。
「…?」という思いだったが「OK」と返事しておいたら、約束の時間になってかかってきた。

かつて、アメリカに暮らしていたころの姫とは無料のスカイプで顔を見ながら話したものだが、今やスマホにface time という、やはり無料のテレビ電話があるので相手の表情を見ながら話ができる。これはとても重宝で、電話が何倍にも楽しくなる。もっとも、電話をかける必要のないところ、つまり一緒に暮らしている方がいいに決まっているが、なかなかそううまくはいかないのである。

で、ペンを片手に持った豆っ子記者はいきなり本題に入ってきた。
「ねぇ、じいじ。なんでじいじはお花を咲かせるのが上手なの?」
「う~ん、35歳くらいの頃、仕事がとても忙しくて休みの日も遠くに出かけられないので、花を咲かせて楽しみたいと思ったんだよ。家にいてもできるから、種を買ってきて、種をまくところから始めたんだよ」
「どうやったらきれいな花が咲くの?」
「あのね、種をまくときにね、しっかり芽を出してね、って言いながらまくんだよ。それで、芽が出たらこんどは元気に育つんだよって声をかけてあげるんだよ」
「毎日水もまいてあげるんでしょ?」
「毎日水をやると、土が濡れすぎてよくないんだよ。土が乾いたら水をあげるのがいいんだ」
「ふ~ん。それから大切なことは?」
「芽が出て成長し始めたら時々肥料もあげなくちゃいけないんだよ」
「ふ~ん。それからまだ何かあるの?」
「一番大切なのはね、植物は生き物だから世話してくれる人が愛情を注ぐと、そのことがわかるんだよ。だから、大切にしてもらえると頑張ってきれいな花を咲かせようと一生懸命になるんだよ。だからきれいな花が咲くんだよ」

てなやり取りを30分くらい。姫は話したことを一生懸命レポート用紙に書き記していくので、案外時間がかかったのだ。
でもうれしいことに、話の中身は理解してくれたらしく、「みんなの前で発表するんだ。そのあと捨てないでとっておくね」という。
見せてくれたけれど、レポート用紙2枚にもなって、横書きで丁寧にしっかりと書き記されていた。まだ手抜きということを知らないのである。

姫の名前が付けられたパンジーがあり、去年種苗会社のカタログで見つけて育て始め、育てた苗は姫のところにも持って行ってあげたのだが、今年もすくすく成長中である。すでにつぼみを持つ株もあり楽しみなことだ。
年末か年明けにでも車で届けて植え付けてこようと思っている。それもまた楽しみなのである。

姫はつい最近、「多読賞」なる賞を受けて学校から表彰されたそうだ。1年間で学校図書館の本をどれだけ借りて読んだかという表彰制度らしく、なんと2年生で1位、読んだ冊数はこれまた驚くことに182冊だという。
いったいどんな本で、どんな読み方をしたんだろう、などと考えるのは大人の浅知恵というか、嫌みなところで、素直にすごいと思えばいいのである。
去年の「戦争法」強行採決後、たまたま東京駅八重洲口の本屋で、京都大学の若手研究者らが中心となってまとめた戦争法に反対する緊急アピールを下敷きにした絵本を見つけ、姫の誕生日のお祝いに送ったのだ。
正直言うと1年生の姫にはまだ少し早いかなと思っていたが、母親によると、一気に読み終えたようで、春休みにわが家に遊びに来た時に「じいじ、戦争のお話をして」とせがまれてびっくりした覚えがある。つい今春のことである。
「戦争はお父さんやお兄さんがいやいや出かけていくんだよ。それで戦って死んだり怪我したりするんだけど、戦わない子供やお年寄りだって安全じゃないんだよ。71年前に終わった戦争では地球上で兵隊さん以外の大勢の人が死んだり怪我をしたんだよ。世界中の人がみんな悲しむんだよ」というようなことを、かみ砕いて話してあげたら、じっと瞬きもしないで聞いていたのが印象的だったのだ。

今年はもう一つ表彰されているのだ。「〇〇っ子奨励賞」という。〇〇には学校名が入るのだが、クラスの仲間2人以上の推薦があった人に贈られるもので、「ああいうお友達のようになりたい」という「お手本」をクラス単位で名前を挙げるのだという。該当者がいなかったクラスもあるという。

それにつけても、わが孫娘はすごいではないか。わが身を振り返るまでもなく、どう見たってすごいのだ。
成長しているなぁ~。



横浜イングリッシュガーデンの秋バラ
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