平方録

若冲に会ってきた

天才を超える存在を何と呼ぶのか。
チョー天才? まさか。
「神」なんじゃないか。そう思いたくなるほどの作品群だった。
どれも人間業とは思えない作品ばかりで、呆れるというか、驚きを通り越して、呆然としてしまうほどである。

上野まで出かけて行って「若冲展」を見てきた。
上野駅に「50分待ち」の表示が出ていて、実際は40分ほど待たされたが、これだけの人波を見るのは鑑真坐像がやってきた10年くらい前の「鑑真展」以来のような気がする。
大した人気である。

中でも驚いたのは「釈迦三尊像」3幅と「動植綵絵」30幅である。
京都の禅寺相国寺に寄進されたものだが、窮乏した寺が皇室に献上したため、幸運にも素晴らしい状態で保存されてきたということである。
そのぶん人目に触れることは滅多になかったわけだが、それがかえってよかったのだ。
色はきれいだし、構図は大胆だし、技法に至っては想像を絶する技が使われているらしい。
とにかく1枚1枚丹念に見たいけれど、それだけで結構な時間がかかってしまうだろう。
人が多くて絵に近づいて見るのも一苦労である。
これら33幅は広い部屋に円形に展示されていて、一堂に見ることができたから、受ける印象も良かったのかもしれない。

この作品群を見せられてため息をつく友人たちに向かって「この絵が分かる人が現れるまで、1000年でも待つ」と言ったんだそうである。
真意はさておき、とても並みの人間の口から出てくるセリフではない。
それだけでも驚きなのだ。
しかし、それにつけても良いものを見せてもらった。眼福ってやつである。

待ち時間を含めて3時間近く、立ちっぱなしだったわけだが、まったく疲れを感じなかったのも驚きである。
美術館を出たらもう6時に近かったので、浅草に回ってドジョウで一杯やってきた。
妻が「久しぶりに食べようか」と言うので、足を向けたんである。
浅草には2軒ドジョウ屋あるが、味のよい方ではなく、江戸情緒を感じさせる店の方を選んだ。
かつて小学校低学年の娘2人を連れて行ったことがあり、「子供があんなもの好きなわけないのに」と今でもひんしゅくを買っている。

それにしても、こちらの店に入るのは10数年ぶりである。
隣の男女4人連れが関西弁だったのが興ざめだったが、ドジョウで一杯もたまにはいいもんである。
続いて雷門すぐ近くの老舗バーで電気ブランをひっかけて帰ってきた。
連休前の命の洗濯ってやつで、これで連休中は家でじっとしていられる。




平日だから団塊の世代サマ御一行が大挙して集まってくるのだ



骨のついた丸のままがいいのだが…、今回は骨を取ったものにした。これにゴボウの笹がきと長ネギを山盛りにして食べる


おなじみの電気ブラン
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「随筆」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事