まだ寝ている身体を熱いシャワーを浴びて起こし、室内とベランダを分かつ折り戸を全開にして涼んでいると、まだ夜明けの気配すらない暗い空から突如、大粒の雨がばらばらと音を立てて落ちてきた。
オッ ! と思う間もあらばこそ直ぐにバケツの底が抜けたようにドシャァ~ッという感じの降りに変わり、風がないから家の中に直接吹き込まないのはいいとして、たたきつける勢いがすさまじいものだから床との衝突で生じる飛沫が家の中に入って来て部屋の床を濡らす。
慌てて折り戸を締めるが、今度は部屋の中が暑苦しい。
生憎わが家で唯一クーラーのない部屋で、頼りは扇風機だが締め切ってしまえば当然蒸し暑くなる。
こいつは閉口だなぁ、困るなぁ…と思う間もなく、ゴロゴロっという雷鳴が1発轟いたと思ったら、雨はパタリと止んでしまった。
その間、わずか5分か6分ぐらい。
心配された台風10号は九州の西の海上を北上中で、勢力も当初予想されていたほどには強大にならないようだ。
とは言え945ヘクトパスカルもあるから大型の台風であることは紛れもなく、明るくなった後、様々な被害の報告が上がってくるのかもしれないが大したことのないように祈るばかりだ。
1000kmも離れた南関東の海辺に降った今朝の雨も台風の余波らしく、今日こちらに出されている「曇り時々雨」の予報はその大型台風の余波であるという。
ごく短時間で止んでくれさえすれば、こういう豪快な振り方も悪いものじゃない。
ボクは「観天望気」という言葉が好きで、こういう雨の降り方も立派な観察対象になるのだ。
とにかく、平穏な日常にアクセントを与えてくれるような気象現象なら、いつだってどんな現象も歓迎する。
ただし、言わずもがなだが、アクセントの域を越えて甚大な被害が出るようではそれは「災害」と呼ばなくてはならず、そんなのは真っ平ご免。
なかなかそううまくいかないのがこの世の常のようだが、去年関東を直撃して甚大な被害をもたらした台風15号と19号はわが家のすぐ近くを「目」が通過したし、特に19号の時は1度夜中の強風で家が変な揺れ方をしてドキッとした覚えがある。
我が家は地震や火災に強い家という触れ込みの家なのだが、あの時は心配になった。
こういう不安に駆られる体験というのは初めてで、これも昔と比べて年々強大になって来る台風の大型化の影響だろうし、その遠因になっているのは紛れもなく地球温暖化だろう。
こういう機会にその事実を思い返し、何らかの意識の変化につなげていかなければならないが、政治が積極的な対策に取り組もうとしない現状では、地球市民一人ひとりの意識の積み上げこそが重要になってくる。
ノー天気でいられない所以だと思うのだが…



(写真はすべて9月4日朝の富士山)