扇ケ谷の海蔵寺。
駅から遠いこともあって、ミーハーの観光客は絶対と言っていいくらい近寄らない。
おかげで境内は静謐に包まれ、禅寺らしい凛とした佇まいをさらに魅力あるものにしている。
臨済宗建長寺派の禅寺で、創建当時は大きな伽藍を備えた大寺だったらしいが、今はこじんまりと引き締まったところが、またいい。
秋になると山門への階段の両脇を覆うように咲くハギの花が見事である。
鎌倉七口の一つ「化粧坂」が近くにあり、大仏や浄智寺方面へと続く大仏ハイキングコースへとつながっている。
訪れたのは1日だったが、ここの谷戸では初音の出迎えを受けなかった。

臨済宗の海蔵寺

禅寺らしい凛とした佇まい

山門をくぐった先の本堂

右手の茅葺き屋根は庫裡

鐘堂と庫裡

質感の違う屋根の対比が美しくもあり、魅力的

枝垂れウメ越しに見る本堂

本堂裏手の心字池のある庭園と書院

仏殿の脇を通っ素掘りのトンネルを抜けると

大きな岩壁に穿たれたやぐらの前に出る

「十六ノ井」
岩窟の中には丸い16の穴が等間隔に掘られて並んでいるが、何の目的なのか、わかっていないそうだ

大きなツバキの木が入り口を覆っていて、赤い花がきれいだった

満開だった

脇門をくぐって境内を後にする

脇門をでたすぐ先の「底脱ノ井」 十六ノ井とともに鎌倉十井の一つに数えられる
脇に建つ碑文には「中世の武将の安達泰盛の娘千代能が、ここに水を汲みに来た時、水桶の底がすっぽり抜けたため『千代能がいただく桶の底脱けて、水たまらねば月もやどらず』と詠ったことから、この名がついたといわれる 井戸の底ではなく心の底が抜けてわだかまりが解け、悟りが開けたという解脱の歌です」と記されている

ユキヤナギが咲き出した

この花が咲くのは歓迎だが、冷たい雪は今更結構だ