一昨日、40日ぶりにまとまった雨が降ったおかげで、心なしか呼吸がしやすい。
これは久しぶりの感覚で、忘れかけていた空気のおいしさというものまで呼び覚まされるようである。
昨日は昼過ぎから晴れて太陽の光が戻ったが、そうした日の光の恩恵に浴せているのは関東地方の一部だけらしい。
テレビのニュースはしきりと青森などの雪害の様子を繰り返し、列島各地が雪と寒さに閉じ込められる様を伝えている。
雪国の友人からは「太平洋側は青空だろ。ホントに不公平だよな」と本音の混じった冗談を耳にするが、冗談では片づけられない勢いで積もる雪と格闘する姿を見るにつけ、南関東で暮らす幸運に感謝するしかない。
とはいえ、今年の南関東も寒い。
元々、夏の暑さはさほど苦にならないタイプだが、耐寒性能に難点があり、人一倍寒がりだから今年のような冬は超苦手である。
そして今週は大寒波がやってきて金曜日まで続くらしいから、何をかいわんやで、松が明けたらバラの剪定でも始めようかと思っていたが、天気予報を見ると西風も強く吹くらしいから、体感温度は恐ろしいことになるに違いない。
だとすれば、こたつで丸くなっているしかないじゃん…と思う所以なのである。
夜のほどに降りしや雨の庭だづみ 落葉をとぢてけさは氷れる
夜のうちに静かに雨が降り、夜が明けて雨戸をあけてみれば、その証拠に小さな水たまりができていて、枯葉が一枚落ちている。
しかも、その水たまりが薄く凍っていて、まるで氷に意思があって落ち葉を閉じ込めてしまったようではないか…
上田秋成の歌で、同じ寒さでもこういう感じの寒さなら、ボクでも何とか我慢もできそうだが、ドカ雪が積もり、冷たい西風がびゅうびゅう吹きすさぶような容赦のない寒さは絶対に願い下げだ。
こうした容赦ない寒気をもたらすのが「日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)」と呼ばれる気象現象である。
何とおぞましい存在、呼び名であることよ。
近所の池と森の公園
いつもは様々な鳥の鳴き声が聞こえるのだが…
時たま小さな鳴き声が聞こえる程度で、森はほぼ静まり返っていた
ただし空気は湿っていて、呼吸が楽である
土のにおいをかぎながら、じっとうずくまるようにしていても、辺りは静寂そのもの
11時ころの気温は11℃を越えていて、それほど寒さは感じなかった
池面すれすれに枝を広げている木(左)はヤマザクラで、春が待ち遠しい
しかし、今はまだ「山眠る」の真っただ中