もう少し若いころまでなら、筋肉痛が現れるのは筋肉を使った翌日というのが相場だったが、今や〝2日遅れ~ぇの便りを乗せぇ~てぇ~ ♫〟状態なのがちょっとほろ苦い。
正真正銘のジジイになってしまった気分である。いや「気分」は間違いか?
プレーは6日だが、今のところ周期的な変化を見せている天候のリズムから見て雨の心配はなさそうで、最高気温も15、6度のようだし、海沿いの松林の中はもっと暖かいだろうからコンディションとしては悪くない ♪
さて今日から弥生3月のスタートだ。
食い意地の張ったボクが真っ先に思い浮かべるのは魚たちのことで、海の中も冬の魚たちに変わって春の魚たちが主役の座に上がろうとうごめき始めたところなのだ。
まず、何といっても待ち焦がれているのは正月から禁漁が続いていた相模湾のシラス漁が奇しくも11日のあの日から解禁される。
あの獲れたてのピッチピチのシラスを生のまま酢醤油にちょっと触れて、良く冷えてキリリとした日本酒で味わえば、これぞ至福のひと時は間違いない。
しかも、手のひらの指を大きく広げた掌に大盛にした量がワンコインの500円以内で手に入るのだから高級魚どももふんぞり返って威張っているだけでは見向きもされなくなるだろう。
観光地引網を引いている漁師に「こいつは海のミルクで、男が食べ過ぎると翌朝は元気になり過ぎて寝返りが打てなくなるぞ !」とお品の良すぎる話? を聞いたことがある。
そうと信じたくなるほどに栄養価も高そうなのだ。
ただ足が速いので釜揚げシラスやタタミイワシにすればともかく、生シラスは絶対的に地産地消を余儀なくされる。
生が食べたきゃここまでおいでってわけで、そういう制約もあってか鎌倉や江ノ島、ひいては湘南の海沿いでは生シラスを表看板にしたシラス料理の店が大人気で、休日ともなればどの店も長蛇の列ができている。
「月もおぼろに白魚の篝(かがり)も霞む春の宵 冷てえ風も微酔(ほろよい)に 心持ちよくうかうかと……」
ご存じ歌舞伎「三人吉三」でお譲吉三のセリフに登場する白魚もまた同じ時期の魚。
その昔は墨田川でも当たり前のように獲れたからこんなセリフにも残っているのだろうが、今や獲れるとれるところも極限られたところになってしまったようで、ボクなんかには全く馴染みがない。
ただ、食通とされる人たちはこぞって白魚のことを文章に残して大いに礼賛しているのはいいとして、あの北大路魯山人も鎌倉に住したくせにシラスのことは一言半句たりとも書き記していない。
これは全く奇妙なことで、あの食通が知らなかったのかといぶかるばかりだが、もしやイワシの子どもと知って見向きもしなかったとすれば、とんだ偏見、差別の持ち主であったというほかない。
そうだとするならば見下げはてた態度というしかなく、食通などという看板の如何にいい加減なことかということが、こういうところからも浮かび上がるのだ。
それらしく振舞いはしたが、そもそも大した舌の持ち主じゃなかったということかもしれない。
自分の舌を信じよ、自分が美味しいものが畢竟この世で一番美味しいものである! ってことのようですナ。
わが家のプランターのパンジーは春らんまん
パクチーもぐんぐん伸びてきた
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