結論から言うと、半日ほど早かったようである。
毎年この時期になると地面から直接花茎を立ち上げ、地際に小さな白い花を咲かせるセツブンソウ。
もう咲いているだろうと思って出かけてみたのだが…
目を凝らして咲いていないか探すと、目が慣れてくるにしたがって小さな小さな白いまん丸の粒のようなものがあちこちに"転がって"いるのがわかった。
皆、つぼみではあるが、咲いているものは一つもない。
ボクが地面に噛みついているような恰好でスマホでつぼみを撮影していると、ボランティアガイドに案内された老婦人7~8人のグループがやってきた。
ガイドが「今年はまだ見たいですねぇ」と言いながらそそくさと立ち去っていく。
どうやら「咲いているのを見たい」とでもいうリクエストがあったのかもしれない。
次に望遠レンズをつけたカメラを持った中年の女性がやってきて「今年はま遅れていますねぇ」と言いながら「クリスマスローズが咲きかけている辺りも同様でした」と言って、それでも低い姿勢になって望遠レンズを向けていた。
ここは鎌倉市浄明寺にある鎌倉五山の第五位、臨済宗建長寺派の浄妙寺。
セツブンソウが咲く寺として花好きには知られた寺である。
地際から何本も花茎が伸び、つぼみが開きかけてはいるのだが…
こちらも同様
あと2、3時間粘っていれば開いたところが見られそうな感じ…
こっちのツボミも半分開きかけている…
ここにも…
こっちにも… 今日はもう開いていると思う
セツブンソウが咲く浄妙寺山門
整然とした佇まいの境内
2024.1.26 撮影 そう、去年はもう咲いていた
セツブンソウが咲く場所の細道の背中側にはお茶が飲める喜泉庵が建つ
足利義満が五山の制を定めたころは七堂伽藍が完備し、塔頭23院を数えた大寺だったそうだ
境内にはウメの木が何本かあるが咲いているのはこの古木のみだった
セツブンソウもウメも今年は幾分か遅れ気味のようである
浄妙寺の前に鶴岡八幡宮に立ち寄る
久し振りの段葛
段葛は八幡宮に近づくにしたがって幅が狭くなる
きっと当時の人が、遠近法を意識して八幡宮が遠くに見えるように作ったのではないか…
この日が我が家の初詣
近所の神社にはちゃんと元旦にお参りに行くが、この八幡宮は関東では名にし負う人気の神社で、三が日はもちろん1月は20日過ぎまで混雑が続くので容易なことでは近づかない
マイカーのお守りが八幡宮のもので、例年、混雑がひと段落するのを待って古いお守りを神社に返し、新しいものを買ってくるのが我が家では恒例行事になっている
そんなわけで出かけてきたが、平日だというのにそこそこに人が多かった
八幡宮から浄妙寺までは途中、鎌倉で一番古い寺と言われる杉本寺(写真)や竹の寺として知られる報国寺などの前を通って徒歩15分か20分
県道の1本奥の住宅地の中のいわゆる裏道を歩くのがおすすめ