平方録

やっぱり打ち上げるんだってさ

突如、降ってわいたように中止が決まっていた鎌倉の花火大会の急転直下の開催が決まったそうである。

昨日の新聞に出ていた。打ち上げ日は梅雨明けも微妙な当初の予定通りの7月19日。
中止の知らせに市民から電話で苦情が殺到したほか、ネット上でもさんざんこき下ろされたらしい。
それで慌てた市が観光客の多くが袋をぶら下げて帰る老舗菓子屋の社長に相談したところ「やっぱり中止はまずいですよ」と言うことになって、菓子屋の親爺も協力することで復活が決まったんだそうな。

そりゃぁそうだろうよ。
鎌倉市民なら誰だって今回の中止決定には怒るだろうさ。
中止の理由が花火大会を仕切ってきた観光協会のパートスタッフの「雇い止め疑惑」とかいうものから端を発し、観光協会への人件費補助金として市が予算計上していた4600万円余りの支出を議会が認めなかったことにあるのだ。

疑惑追及はどんどんやるべしだが、何も市民や観光客が楽しみにしていた伝統ある花火大会を人質にとることはないだろうに、というのがボクを含めた市民の言い分なのである。
13日のわがブログでは、そもそも議会も行政も観光協会も市民に奉仕するために存在しているのであって、3者ともに分をきちんとわきまえてその社会的な責任を果たさなければいけないのだ、まず市民に目を向けよ、と指摘したんである。
このブログが決め手になった、という話は今のところ聞こえてこないが、同じような意見が多かったに違いない。

とりあえず市が主催者となって「鎌倉を愛するものがつくる花火大会実行委員会」なるものを立ち上げ、開催費用4000万円を工面するらしい。インターネットを使って寄付を集めるクラウドファンティングも活用するようである。
それにしても、どうしてこういう嫌味な実行委員会名をつけるのか、悪趣味な名前を付けるものだが、この辺りがカマクラという街の後進性を表しているということに当事者たちは気づいていないんである。

こういう後進的なところだから、保存された自然緑地ににぎにぎしいフェンスを張り巡らせ、役所の勤務時間に合わせて門扉の開け閉めをするものだから、日の高い朝と夕方や年末年始にはピタリと門扉を閉ざして市民を締め出して平気な顔をしているのである。
さらに、昨秋は色づき始める直前の住宅街のイチョウ並木の枝という枝をバッサバッサと切り落として涼しい顔をしている街である。

土台が腐ってしまっているとしか言いようがないんである。
こんな行政は全国的にも珍しいんじゃないか。それくらいトホホな街なんである。
おりしも、今日が市議会議員選挙の投票日である。
今回の花火大会の再開決定にしたって、議員不在のところで行われているわけで、これでは互いに協力し合いましょうということにはなりそうもなく、逆に溝が深くなってしまわないか、危惧するのである。
行政側にはそういう配慮も気配りもないのかもしれないが…、

昨晩、選挙公報をタメツスガメツしてみたが、どいつもこいつも総花的にあれもやります、これももやりますと公約を並べているが、公約そのものがいまひとつピンとこない。
国会も含めて議員の質が落ちてきていることは今や周知の事実だが、質だけでなく、取り巻く環境も含めて、改めて現実を突きつけられた感がある。ヤレヤレなのだ。
憲法で保障された地方分権・地方自治も危ういんじゃないの?



「須磨浦普賢象」。緑色の八重桜。高さ5m近くまで成長していて、これほどの大きな木は日本でここだけである


「鬱金(ウコン)」。こちらは緑色に見えるが実は黄色の八重で、黄色のサクラはこれが唯一の品種という珍しいもの=いずれも横浜イングリッシュガーデン
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