川に洗濯に出かけたわけではないので、桃は流れてきませんでしたが、ちょうど松の花粉が飛ぶ時期で、花粉でパンパンに膨れ上がった松笠が呼吸でもするように、時々プファッと黄色い花粉を飛ばすのを目にしました。
スギやヒノキで花粉症を起こす人は知られていますが、松はあまり聞きません。でも、松の花粉は粒子が大きいので、遠くに飛ばない代わりに目に入ったりするとゴロゴロと痛いそうです。
特にコンタクトレンズの人は注意が必要で、目を開けていられないほど痛むそうです。
「花粉というのは嫌われるばかりだなぁ。世の中に役に立つ花粉はないものか」と、おじいさんは嘆いたそうですが、そこで話は終わってしまうので、「日本昔話」には残らなかったんだそうです。おしまい。
勤めていた会社の後輩に誘われて5か月ぶりのゴルフをしてきた。
湘南海岸の波打ち際と道路1本隔てたところの松林のど真ん中のゴルフ場である。
普段は何も問題はないのだが、この時期は花粉が飛ぶのである。
花粉が飛ぶと、ゴルフ場におなじみの池の水面は落ちた花粉で黄色に染まり、何もしなくてもプファッと花粉が飛ぶのが見えるし、ボールが直撃でもすると爆発でもしたかのようにブワッと花粉を吹き飛ばすんである。
風の強い時などに国道134号を走ろうものなら、黄色の煙幕の中を走るような時さえあるのだ。
昨日はまだ花粉の飛び始めの時期だったので、プファッの回数は限られていて飛散量は少なかったようだが、それでもズボンのすそなどは真っ黄色に染まるほどである。目も痛かった。
ったく、植物ってやつは役に立たない邪魔な物質ばかりを吐き出したり、噴き出したりするものである。
スギ花粉に至っては社会問題にまで発展しているではないか。
松の実というのがあって、酒のつまみやら中華料理、イタリア料理によく使われる。
行きつけにしていた中華街の入り口にあったバーのチェッカーズではつまみと言うと松の実だった。出されるウイスキーはたった1種類、それもサントリーレッドだったんである。
長いこと寝かされていたレッドだったから、口当たりの悪さはすっかり消えてマイルドになった〝特別レッド”で、松の実ともども味わい深かったのを懐かしく思い出す。
海岸などに植えられているクロマツやアカマツにも実が生るのかどうか知らないが、迷惑な花粉ばかり飛ばさずに、少しは人間の役に立ちなさいよと考えるのは、やっぱり人間のおごりというものでしょうな。
ま、その辺の傲慢さは反省しなくちゃならないけれど、ゴルフ場でマツタケが獲れないものかね。
松林の中にボールを打ち込むとお土産はマツタケですよ、なんてね。
しかし、マツタケが獲れたとしてもゴルフ場は農薬漬けだから、だれもが口にするのを嫌がることだろう。
ゴルフは18ホールまでだが、このメンバーでゴルフに行くと、むしろ19番目のホールが楽しみで、つまり酒を飲む場所に移動するということなのだが、昨日も明るいうちから準備中の店に押し入ってワイワイやってきた。
昔の仲間たちの消息なんぞに興味はないけれど、メンバーの日常をあれこれ聞くのは楽しいことで、さる美大の社会人コースに合格した某嬢は次から次へ求められる制作課題に泣き言を並べながら、それでもフウフウ言いながらなんとか授業についていっているようである。
早く個展をやれ、と言ったらじろりと睨まれて、まだ基礎勉強中ですと叱られてしまった。
工業系大学の電気学科を卒業した某君も絵の手習いを始め、最初は色鉛筆画から始まり、今は水彩画に移ったそうで、週に1度だか月に1度だか教室に通っているんだそうである。
スマホに保存している作品の写真を見せてもらったら、随分とデッサンのしっかりした絵を描いていて、理科系の人間に絵筆を握らせると、かくも対象に忠実な几帳面な筆遣いになるのかと妙な感心をするほどで、本当に人は見かけによらない。理系のなせる業というより、実直な人柄を反映してのことだろうが、見直したよ。
ま、それぞれ退職後の楽しみをしっかり身に付けて、その道にまい進しているところは見上げたものである。
ボクが毎朝4時に起きて文章を書いているということは、それとなく話してあるが、それがブログを書いているということまでは伝えていないから、好き勝手なことを書かれているということも知らないでいるのだ。イヒヒヒ…
春には珍しく富士山がくっきりと顔をのぞかせた。はえているのはずべて松
この松笠がプファッと花粉を飛ばす
ズボンのすそが花粉で黄色く染まるほど
去年4月15日に湘南海岸の辻堂付近から茅ケ崎方向をながめて撮影したもの。松の花粉が黄色の煙幕となって海に向かって動いていくのがはっきりわかる
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