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平方録

トイレの神様と仲良くする

下っ腹にどぉ~んという重たい痛みを感じて目が覚めた。
時計を見るとまだ午前2時少し前だった。
痛みだけでなく、掛け布団から肩が出てしまっていて、おまけに布団とベッドの間に隙間が出来ていたんだろう、ポカポカしているはずの布団の中がちっとも暖かくないどころか体を縮こめないと寒くて耐えられない。
踏んだり蹴ったりというのはこのことで、痛さと寒さに襲われてはしばらくじっとしたまま様子を見守るしかない。

痛みの理由は分かっていた。
毎年定期的に受診している大腸の内視鏡検査が今日の午後予定されていて、前夜9時に下剤などを飲んだのが効いてきたらしい。
薬が効き出すのが5時間後辺りからだということなら、何も効き始めを草木も眠る丑三つ時なんぞにする必要はないじゃないか、もう少し後ろにずらせないんだろうか、安眠妨害だぜ…などと毒づきたくもなるというものだ。

冷えた布団の中に体を小さく折り曲げて縮こまり、じっとやり過ごそうとしていると、そんな条件下でも少しはうつらうつらしたんだろう、気が付けば3時に近づいていて、痛みも強くなってきた。
それで意を決してベッドから抜け出し、トイレに入ったのだ。
それから普段の起床時間の午前4時までにもう1回トイレを使い、それで落ち着いている。
陽が昇った後に2リットルくらいの水に下剤を混ぜて時間をかけて飲み、それが首尾よく腸の中を奇麗に洗い流してくれれば検査態勢の準備完了ということになる。

それにしても今冬一番の冷え込みの日の未明のトイレの寒いこと…
便座に坐りながら何故か厳寒の山小屋の外の凍てつく木立に仲間を裸で縛り付けて放置し、何人もを凍死させた連合赤軍リンチ事件を思い出したりした。
まったく狂気の沙汰だ。
一方でここは南関東の海辺の町。試しに寒暖計をベランダに出しておいたら05:08で1.0℃ちょうどだった。
で、もしかしたら氷点下になるかも…と続けて出しておいたら05;19に1.4℃と少しだけど上昇してしまった。

何年か前に1度、氷点下3度というのを体験したことがあるが、そんなことは滅多にあるものじゃない。
1℃だって十分すぎるくらい冷え込んだ。
予報ではこれが底らしく、また暖かさが戻るらしいから、今冬の最低気温は1℃ってことになりそうだ。
ヌクヌクと育ってそのまま暮らしている人間にはこの程度が限度かもしれない。

検査は午後3時からだから、まだしばらくトイレと仲良くし、今日1日は他に何もできない。

三浦半島の台地に広がる畑ではダイコンの栽培が盛んだが、暖冬の影響で育ち過ぎ、規格外に大きくなってしまったものが廃棄処分されている
(見出し写真は東京湾越しに房総半島を望むダイコン畑)

奥に見える海は太平洋

白いビニールシートがかぶされた場所はダイコンの収穫が終わり、多分、春キャベツの苗が育てられている
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