庭のハナミズキの幹の下の茂みでもうホトトギスが咲いているのを見つけた。
たった1輪だけで、それもほんの少し前から開き始めたような、まだ完全な形には開き切れていないのだが、昨日のお日様の‶家宅侵入事件〟に続いて「おやっ!?」と思わせるに十分なインパクトがあった。
誰が植えたのかボクは関知していないが、ハナミズキの下以外にも玄関脇にもまとまった茂みがあるから、これからしばらくは眼を楽しませてくれることだろう。
わが家の種類は日本固有のものではなく、タイワンホトトギスと呼ばれるもののようで、花びらが澄んだ夏空を思わせるような明るいブルーをしている。
この色はボクの好みの一つで、紫色が加わっているところもおしゃれだなと思う。
しかも「しべ」が花の中心から突き出るように飛び出した独特の造形で、その色が黄色というのも青と紫の花弁とよく似あう。
余談だが「しべ」は「蕊」と漢字では草冠の下に心を3つ重ねる。
徳川幕府最後の将軍・慶喜は「二心殿」と呼ばれ、心変わりが目立ったそうだが、二心どころか3心の場合の心模様とはどんなものだろう。
いやっ、これは心変わりを現しているのではなく、心のこもり具合を示しているのだとすると…
3つも重なっているところからするとよほど深い思いを湛えた心模様なのかもしれない。なんちゃって。
ハナミズキの下の茂みにはホトトギスに混じってミズヒキとキンミズヒキも生えている。
両方とも目立つ花ではないが、ホトトギスと一緒に咲いているところなどは和を感じさせてなかなか渋い趣があって味わい深いものがある。
赤い花を付けるミズヒキはまだだが、キンミズヒキはボクが気付かないうちから咲いていてらしく、細く伸びた茎の先まで花が届いてしまっていて、ボチボチ最終盤のようである。
お邪魔しているいくつかのブログに紹介されているキンミズヒキは今が盛りに見えるのだが、わが家の場合は盛りを過ぎてしまったようだ。
季節の歩みというのは鳴り物入りとはまったく無縁に、ひそやかながら、しかし確実に前に進んでいる。
今日はこれから午前中にかけて台風10号が関東南岸に最接近してくる。
午前3時現在の位置は八丈島の西30kmのところだそうだからかなり近い。しかし勢力はと言えば980ヘクトパスカルとさほど強い勢力ではないものの、時折たたきつけるような強い雨が降ってくる。
風は今のところそよ風程度で目の前のカツラの枝先がそよそよと動くだけだ。
いやっ、こんなことを書いたからか、突如風の音が強くなって、雨が横殴りに降りつけ始めた。
雨はともかく、強い風に吹きまくられるとバラやゴーヤのカーテン、数は少ないけど役立っているナスやキュウリの株が心配になって来る。
幸いにして風は今のところ北東寄りだから植物群は家を風よけにして何事もないかのように穏やかなものだ。
わが家を含め、被害の無からんことを。
キンミズヒキの花は茎の先端に達していて、他の花はすでに散ったかしおれてしまっている