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平方録

姫、超ご満悦 ♪

湘南新宿ラインで渋谷まで直行し、山手線に乗り換えて一つ目の原宿へ。

竹下口の改札を出て目の前の信号を渡るとそこは竹下通りだ。通りはここから下っているので通りの様子がほぼ見通せる。
時刻は午前11時をちょっと回ったところ。
心配していた混雑はなく、道路の隙間があちこちに見え人はスムーズに流れている。
冷房の効いた電車を降りて外の空気を肌で感じた途端、モアッ~ッとする暑さが体にまとわりついてきただけに、この通りが通勤電車並みの超混雑だったらそれだけでオオゴトだなと思っていたので胸をなでおろす。

この日を待ち望んでいた姫は「原宿」の車内アナウンスを聞いただけでアドレナリンが吹き出したらしく、下りる時から目の輝きが違ってきた。
白いキャップに黒のTシャツ、白の短パンに日焼けした長い脚、その足元は黒のスニーカー。
キャップの端から出したポニーテールを揺らしながら転がるように駅の階段を降り、横断歩道を渡って坂道を軽やかに下りていく。

姫の目的は小学生向けの人気のファッション雑誌? に登場するファッションを自分の目で確かめ、それをできるだけたくさん手に入れること。
お目当てのブランド名や扱う店は既に学習済みで、目ざとく見つけてはさっさと店の中に入ってゆく。
店内は女の子の洋服、と言ってもTシャツとか短パンとかスカート、ベルトにキャップ、小物を入れる小さなバッグなどが並んでいて、ドレッシーなものではなくてどちらかと言えばカジュアルな普段着。
変わったところでは鉛筆やら消しゴムやらの文房具が一緒に売られていて、へぇ~
大人の店とは大いに異なり、やっぱり小学生相手なんだなと思う。

店内はもちろん女の子ばっかり。
それも小学生からせいぜい中学生くらいまで。
もともと若い女の子の集まる街だったのだが、この日はざっくり見たところ9割がフィーメル!
それだけでこの街の何たるかが浮かんできそう。

ボクの役目はレジの前まで付き添って行って財布を開くことだけ。
母親が一緒についてきたが、最初は何で姫と2人きりじゃないんだ、うざい奴めと思ったが、姫は逐一母親に意見を聞きながら手に入れるべき品物を絞っていくので、ボクにその役目はとても無理。。
姫も端からそこは期待していないので結果オーライと言うことにしておこう。
そう言う爺さんがもう1人いて2、3か所の店でぼんやり突っ立っているのを見かけた。
姫の母親も気が付いて、ジイジみたいな人がもう一人いるねと首をすくめる。

でも一緒にしてもらいたくない。
件の爺さんはいかにも爺臭い恰好だがボクはと言えば、頭からすっぽりかぶるゆったりした麻の入った濃紺のシャツを素肌に着、ベージュ色の短パンと日焼けした足、その足元にはキーンのサンダル、顔に戻ってレイバンのサングラス姿だから自分で言うのも何だが案外シブめなのだ。
この格好のお陰で昨日の東京の最高気温34.9度はどぉってことなく感じられ、いささか拍子抜けした。

イオンモールしかない四国の田舎町で暮らし始めた姫にとって希望を叶えるためには長い休みを利用して都会まで足を運ぶしかない。
しかも買い物に出かけた先は「聖地・原宿竹下通り」なのだ。
結局、姫は2時間超に渡ってわき目もふらず、店から店にこれでもかと品定めしつつ、ゲットした品は6種類9点。
それぞれの店が品物を入れてくれる手提げ袋もファッションアイテムらしく、嬉しそうにぶら下げる顔を見るのもたまには悪くない…というのがジイジの感想。

そう! 大甘なのがジイジなのだ。







表参道のパン屋の2階でサンドイッチの遅い昼食を食べたのだが、ケヤキ並木の木陰は暑さを少ししのいでほっとさせてくれる

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