見出し写真の海岸は辻堂付近の湘南海岸で、その奥に見えている山々は箱根連山。入り鉄砲に出女を厳しく監視した関所を越え、箱根峠を下ればそこは駿河の国である。
彼の地はわが相模の国と違って随分前に梅雨入りしていて、こうして箱根越しに見る西の空は雲に覆われていることが分かる。
お陰で駿河の国にそびえる富士山は厚い雲のベールに閉ざされて見えない。
こういう空模様はここ数日続いていて、箱根連山を境に晴天と雨雲の境が出現している光景を横目で見ながら「そのまま、そのまま」と呪文のように呟いている。
ただ、こちら側の晴天も、堂々たる五月晴れかと言うと、何となく空の青さが足りないような気もするし、どこまでも突き抜けるような澄み切った空ではなくて、何となく煮え切らない。
多分、水分の多い梅雨空が隙あらば越境しようと虎視眈々、狙っているせいだろう。
パンジーやらその他の春を彩ってくれた一年草の花々がすっかりくたびれてきていたのを、一昨日、労をねぎらいながら引っこ抜き、土壌を調えるなどの下準備をしておいた。
それで、隣町の農協の売店に出かけ、何種類か葉物野菜の苗を買ってきた。
山形の友人に倣って朝食の野菜サラダは直調達にしようと考えてのことで、やってみればこれが案外重宝している。
無農薬で新鮮な野菜サラダは何よりの御馳走で、冬の間はホウレンソウが甘いのにビックリしたり、鍋にしか使わなかったシュンギクが生でかじると茎のシャキシャキ感が何とも言えずに癖になりかけたりで、野菜のおいしさというものを再認識したり…
昨日、農協の売店で目に留まったのは「ロメインレタス」。
初めて聞く名前と言うばかりではなく、その姿がおよそレタスとはかけ離れていて興味を引かれた。
初見参というだけでなく「ロメインレタス70円」と書かれた表示の横に「海外持ち出し禁止」と書かれている。
なんのこっちゃ!だが、確か、去年の国会で賛否両論の中で「種苗法改正案」が成立した。その詳しい中身は良く知らないが、建前は日本で誕生した野菜や果物のタネや苗も国外持ち出しを禁ずる内容も含まれていたようだが、さっそくこんな苗にもその影響が表れているのかと気になった。
まっ、そっちの話はともかく、ネットで調べるとロメインレタスとはギリシャのコス島というところが起源で、ローマ帝国時代のローマを経由して西洋各地に広まったと書かれている。
しかも、北米のスーパーでは一年中手に入り、ヨーロッパやアメリカではおなじみの野菜らしい。
日本の大手種苗メーカがタネを供給していることとも関係があるのかどうか、その程度のポピュラーな野菜がなぜ「禁持出」なのか面妖な話だが、美味しさが違うとか、「ダメッ!」という理由を知りたいものだ。
この写真を見て分かる通り細長い葉っぱをしているが、これも他のレタス同様結球するらしい。
いずれにしても1週間もあれば外側の葉をちぎって食べてみることは可能だろう。
欧米でおなじみのロメイン様とやらを味わうのが楽しみである ♪