ピッタリのことがお隣中国で持ち上がっているようだ。
所変われば何とやら、お隣では困った人を手助けするどころか、見て見ぬふりをする人が増えているようで、これでは社会がギスギスしてしまうし、いくら経済的に豊かになっていったとしても健全な社会とは言えないという理由かららしいけれど、開会中の中国の国会に当たる全国人民代表大会に「見て見ぬふり」を防ぐ「善人法」と呼ばれる規定を民法の総則に盛り込むことが提案されているという。
いくらなんでも、そこまでややるのか…と思いたくなるが、そこには中国社会が抱える悩み、問題点が横たわっているようである。
総則の中で注目されているのは「緊急時の救助行為で人に損害を与えた場合、重大な過失がなければ救助した人は賠償責任を負わない」という規定だそうだ。
交通事故の被害者を助けようとして結果的に死なせてしまったり、けがを大きくしてしまったりするケースを想定しているんだそうな。
実際に、道に倒れていた老人を助けて病院に連れて行った若者が老人から訴えられ、若者がぶつかったのが原因だと裁判で認定されて高額な賠償金を取られたことがあり、その後もこうした事例は後を絶たず、人助けにしり込みする風潮が広がっているんだという。
そもそも日本では助けてくれた人を訴えるようなこと自体、よほどのことがない限り考えにくいが、お隣にはお隣の事情とか風潮というものがあるのだろう。
そもそも困っている人を助けるというのは、自然な行為のように思えるのだが、それをそうさせない要因が社会に蔓延しているということは、やはり不自然なことで、それを法制定によって乗り切ろうというところが高度経済成長を見せた中国社会の歪みなのだ。
軍事大国化ばかりに傾注し、覇権を求めかねない姿勢が総身に知恵をめぐらすどころか、随所に血液の流れを阻害する血栓を作ってしまっているようである。
いろいろ考えさせられる法律提案だなぁと思って受け止めた。
ところでボクは現役時代から「へぇ~」「ほぉ~」のメモをつけていたんだが、これ以外にも別のメモ帳を持っていた。
それは忘れ去ってはいけないような、どうみたっておかしなこと、怒りに震えるような、とんでもない事柄や発言も記録していた。こちらのメモ帳の名前は「怒髪天録」である。
今は止めてしまっているが「どはってんろく」は文字通り「怒髪天を突く」という言葉から採ったもので、今続けていれば毎日毎日どれほどのページを必要としたことか。
「ここ10年は会ってもいません!」「(先方の幼稚園理事長が言っていることは)虚偽です! 私は会っていない!」と啖呵まで切っておいて、なんだよあのざまは。
「否だ!」防衛大臣は発言撤回・謝罪だけで事は済むんですかい。
「否だ」さんたちの好む世界の武士(もののふ)とやらは、こういう時、潔く腹を割っさばくんじゃなかったっけ。それともオナゴは知らん顔ですかい。
そういうことがまかり通るようなら「善人法」を作って何とか乗り切ろう、社会を良くしていこうともがいているお隣の国の方がよっぽど健全に見えるじゃありませんか。
「一旦は赤になる気で芽吹きおり」(後藤日奈夫) わが家のバラの中でも強い覚悟で芽吹きを始めた株
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