5月は早くも中旬に差し掛かかり、風薫るさわやかな季節を迎えているというのに、どうもわが家のバラたちは寝坊が過ぎるようだ。
現在わが家のバラで咲いているのは「空蝉」と「ノリコ」の2種類だけ。
2階ベランダの鉢植えの空蝉はそろそろ1番花が終わり2番花が咲き始めようとしていて、こちらはほぼ例年通り順調なのだが、ノリコはやはり2階のベランダで鉢植えしている株にほんの2,3輪が咲いたにすぎず、地植えしている株はまだつぼみを膨らませている最中ってところ。
その他のつるバラや株立ちのバラたちに至ってはまだひと花も咲いてくれていない ⁈
原因ははっきりしていて、3月の下旬早々にサクラが開花するとその後は雨も混じる気温の低い日がいつまでも続いたことだろうと思っている。
お陰で開花したばかりのサクラは〝天然の冷凍保存〟状態になって、例年にも増して長く持ち、半月以上、場合によってはひと月近くも楽しませてくれた。
それはそれでとても結構なことだったのだが、バラが寒さのぶり返しですっかり「2度寝」を決め込んでしまったように、いつまでたっても起きてこないのは想定していなかった。
植物の世界はホントに正直というか、気象条件に左右されるところが大きいと、つくづく思う。
前にも書いたけれど黄色の花を咲かせるつるバラの「サハラ98」は花芽が一つもなかったくらいだが、このところようやく新芽が伸びてきて、その先にポツンと小さなふくらみが付き始めたから、これがやがて花開くまで成長するんだろうが、まだ当分先のことで、下旬を通り越して6月の開花になっちゃうんじゃないだろうか。
去年の今頃はたくさん咲いていたのに、今年はアジサイと競争になるなんて…
サハラ98は例外としても、つるバラでは「バレリーナ」が似たような状況。「伽羅奢」はつぼみをたくさんつけているが、咲き出すにはあと一息ってところ。
ピンク系の花がうっとりするほど妖艶な「ローゼンタール・シュパリース・ホープ」も遅れている上につぼみの数が少ない。
妻の親せきが作り出したものを頂戴した「名無しのつるバラ」も順調は順調だが、やはりつぼみの数が少なめなのが惜しい。
何時も遅く起きて来る「ニュー・ドーン」も1番花が咲くのは今月下旬になってしまいそうだ。
株立ちの「ブラッシング・アイスバーグ」と「バーガンディー・アイスバーグ」も咲きかけてはきたがこれまた例年ならとっくに花盛りになりかけているのに、ようやく1輪開きかけているにすぎないスローモーぶり。
このほか深紅の花を咲かせる「流鏑馬」、明るい黄色の「ゴールデン・フラッシュ」の鉢植えがあるが、双方とも昨秋に強いせん定をしたので、そろって遅れている。
わが庭全体で見ると、去年に比べて半月程度遅れているようである。
バラはさっさと開いてしまうより、じっくりじっくりつぼみを膨らませて行って満を持して開く方が花そのものも大きくなるし香りも際立つ。
その好例が秋バラで、昼と夜の気温差が際立つ秋はじっくり時間をかけて蕾を膨らませるからそういう特徴が顕著に出る。
ただその分花数は少なくなるので、どちらが良い悪いという問題ではなく、初夏は旺盛に盛り上がって咲く花を楽しみ、秋は一つ一つの花の立派さと際立つ香りを楽しむ――というように、楽しみ方が違う。
3月下旬からこの方、ボクの寒がりぶりにまゆをひそめていた妻も「バラたちだってこんなに遅れるくらいなんだからボクが寒がっていたのも当然だろう」と言ったら、反論は何もなかった。
バラとボクは気持ちが一緒なのさ。
愛いヤツら。「空蝉」はそろそろ1番花が終わり2番花へ
数日前にこの写真を掲げて「モミジのプロペラ」はよく見るけど花は見たことがない
と書いたら、ちょうど春と初夏がいっぺんにやって来ている山形の友人から「庭のモミジにちょうど花が咲いているぞ」と写真を送ってくれた
これがモミジの花 ! へぇ~ ほぉ~ !
指先と比べると花は小さい。これじゃ新緑に気を取られて花には気が付きにくいかもしれない