その肘折温泉の積雪が「4メートルを超えたら泊まりに行こうよ」と山形の友人から誘われ、「行こう! 行こう!」と二つ返事で答えたのだった。今年の正月のことである。
厳冬期の蔵王の山頂まで樹氷を見に行ったことはあるが、あれは山の頂であって雪がたくさん積もっているのはごく自然な景色で、見渡す限りの白い世界だが、それがどれくらいの高さに積もっているかなどはよくわからなかった。
その雪が人々が生活をする場所に400cmも積もるということはいったいどういう感じなのか、どういう光景が広がるのか、機会があれば一度見て味わいたいと思う。
肘折温泉では去年、それまで最高だった414cmを大幅に塗り替える445cmの最高積雪深を記録し、宿泊代がタダになった。
次にこの記録が塗り替えられる時、宿泊料金が1泊分無料になるという寸法で、積雪の多さを逆手に取ったこの温泉郷ならではのキャンペーンなのだ。
無料にならないまでも積雪量によって割引があり、例えば宿泊前日15時までの24時間積雪量が30~44cmの場合の宿泊料が1人500円引きに、45~59cmだと1000円引き、60cm以上だと2000円の割引になる。
今年も昨年の12月16日から3月10日まで、このキャンペーンが展開されている。
で、調べたら15日午前3:00現在の積雪はアメダス計測によれば171cmと、これはまた何とも物足りない積雪量であり、よほどの寒波でもやってこない限り4mに到達するのは難しそうである。
宿泊料以外にも入浴料も割引になるらしいし、毎年高さ29.43mの雪だるま「おおくら君」が登場することでも知られているのだ。
鎌倉の大仏は台座を含めた高さが13.35mだから、その倍以上の巨大さということになり、これは一度ぜひ自分の目で確かめておきたいものだと思っている。
そんなわけでいささかがっかりしているのが今朝のボクの偽らざる気持ちなのだ。
寒いのはまっぴら御免だが、野次馬になら何時だってなってやる、どこだって行ってやるゾという気分なのだが……
ところで、今年は気象庁から暖冬予報が出ていたが、ボクの暮らす関東南岸の海沿い町は寒かった去年に引けを取らないくらい「寒いと思う」。
そういう皮膚感覚で肘折温泉の積雪を見るからだろうが、肩透かしを食らった気分になってしまうのだが、実際、山形で暮らす友人に聞いてみると、やはり今年は雪も少なく、暖冬に間違いないという返事だった。
雪国の人が言うのだから間違いはないのだろうが、そうだとすると南関東の寒さは何だよ!と文句の一つも垂れたい気分だ。
一昨年の秋、初めてこの温泉に泊まって朝市の出る素朴でひなびた雰囲気の「湯治場」を感じ、こいつはぜひ一度雪に埋まった時期に再訪したいものだと思っていたのだ。
これから先、現在の積雪を超える230cm超の雪が降らないと4mを超える積雪には届かない。
さらに記録更新となると275cm積もらなければならず、今年はもう無理かなぁと半ばあきらめ気分である。
昨日は12度くらいまで気温が上がって比較的暖かかったけれど… 鎌倉・由比ガ浜
明るい海辺で「ヒジオリ」の積雪を思う
長谷駅ですれ違う江ノ電
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ひろ
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