というのはエープリルフールではなく、本当の話。
東京タワーに登るのに40数年かかったのだが、こちらは案外早かったということになる。
チケットを買うだけでも1、2時間かかることもあると脅されていたから、事前にインターネットで予約をしておいてから出掛けたおかげで、待つことなくスイスイと地上350メートルの天望デッキに到着した。
ここの空間も比較的空いていて、外を眺めるスペースに苦労するような事はなかった。
したがってここからさらに100メートル上の天望回廊へのチケット購入も約5分待たされただけ。
年度の初日は団体客などいないため、グッドタイミングだったようである。
横浜のマリンタワーの展望台がせいぜい90メートル前後、東京タワーだって150メートルくらいだろうから、450メートルという高さはやはり群を抜いて高いですな。
地上を走る車は真上から見るとものすごく小さい。あんな小さなものに人が乗っているのかと思うくらいで、まったく現実離れして見える。
恐怖感がわかない高さといってよいのかもしれない。
真下を流れる隅田川のサクラだって満開なのだが、あまりに距離があるものだから、よく目をこらさないとピンクの帯は目に入ってこない。
この日は典型的な花曇りで、薄日は差すものの視界は悪く、横浜のランドマークタワーは見えなかったし、富士山はおろか他の山並みも霞んでしまっていたのが残念といえば残念である。
天望回廊で姫がトイレに行き、戻ってきてウンチをしてきちゃったと言ってすっきりした顔をしたので、ならば、とじいじも右へならえしてきた。
姫とわがウンチは450メートルを真っ逆さまに落下して行ったんでしょうな、一気に。
ヒコーキは空中にばらまいちゃうそうだけれど、ここではそんなことするわけない。高いところでするというのは快感でしたな。
チケット売り場の外に遊具が並んだ小さなスペースがあって、姫はトランポリンとゴム紐を組み合わせて空高くぴょんぴょん跳ね上がる遊具に魅せられてしまい、せがまれた。
結局、上に登る前に1回、こちらの快感も忘れられないと見えて、上から降りてきてからもう1回。満面の笑みで降りてきて「ピョ~ンと上がってから下りてくるときにお腹の辺がキュゥ~ってなるんだよ」とスカイツリーよりもこちらの方が気に入ったようである。
上野駅から新幹線に乗り、大宮を過ぎるころから話をしなくなって窓の外をじっと見つめている。
さすがに疲れたのかと思ったら、さにあらず。宇都宮到着のアナウンスが流れると目に涙をためてよりかかってきた。
迎えに来た母親の車に乗り込もうとすると我慢できなくなったと見えて、堰を切ったように涙があふれ出し、声を上げて泣かれてしまった。
母親からのメールでは家に着いてからも泣いていたそうで、そういう事を聞かされると、こちらも「う~む! 」と思ってしまうのだ。
次は夏休みかぁ。随分と先の話であるなぁ。
350メートルからガラスの床越しに見る地上はちょっぴり現実味が薄れ、さほどの恐怖は感じない
450メートルから見る東京。真下に隅田川が流れ、浅草寺の屋根が見える
姫はこちらの方がお気に入り
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