2020/1/13 | ~ | 2020/1/17 | 記入日 | 2020/1/11 | |||||||||||||||||||||
1.来週の見通し | |||||||||||||||||||||||||
ドル/円 | 108.50 | ~ | 110.50 | ||||||||||||||||||||||
米イ緊張で目立ってはいないが、1/10に発表された米国雇用統計は「非農業部門の雇用者数が前月比14万5000人増と市場予想ほど増えず、平均時給は前年同月比2.9%上昇と伸び率が前月から縮小」、底堅いながらもまだまだ まだら模様の米国経済を印象付けるものではなかったか。米中協議第一段合意は15日の署名式を迎え、トランプは第二弾の(構造協議)交渉はすぐにかかるが、合意は大統領選挙後だと表明、関税合戦については一時休戦となるものと思われる。これで、米ラストベルトの景気・雇用がどのように改善されるか米中協議の進展に大きく影響するのではなかろうか。トランプは、いわゆるリベラル派からの支持は完全に諦め、支持層固めの姿勢を今後も続けると予想される。民主党がどのような候補者選びとするか(中道派でトランプ支持層の一部を民主支持に奪い返すことをねらうのか、真逆の左派をたてて正面から戦うのか)、勝機があるのは後者のように思うが、いずれにせよアメリカ分断の大統領選挙となりそうだ。米中協議成立に 基調ドル高の膠着相場に戻るのではなかろうか。 | |||||||||||||||||||||||||
ユーロ/円 | 120.50 | ~ | 123.00 | ||||||||||||||||||||||
英国議会で 欧州離脱関連法案が成立、1月末のEU離脱が確実なものとなってきた。日米はさっそく英国とのFTA交渉を開始、早い機会に日米とのFTAは成立する可能性が高い。痛みを伴う社会保障改革にはフランス国民の反発が大きく、おひざ元のフランス国内での支持率がガタ落ちで、相次ぐスト、週末のデモで、なす術もないマクロン。ふるえが止まらず、政局やEU改革どころでないメルケル。EUを先導するはずの独仏の既存政党は与党のみならず野党も元気なく、極右とされた政党が現実路線に転換していく中で、ますますその支持基盤を失っていっている。トルコのおかげで流入が抑えられていた難民流入が再開すれば、またしても危機的状況となるのは必至であろう。拘束していた欧米からのIS戦闘員を母国に送管する動きはすでに始まっており、シリアに帰国できない難民を多数かかえるトルコも不景気で、いつ難民を自国から追い出しにかかるかもしれない。このところのユーロ高で肝心のドイツ経済の行方が心配だ。マイナス金利深堀で苦境のドイツ銀行等の金融業にとどまらず、ユーロ安で潤っていた製造業の景況感も悪化している。不景気でも為替高、それでも政府は知らん顔とまるでかっての日本のようではないか。 | |||||||||||||||||||||||||
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2.先週の動き | |||||||||||||||||||||||||
まず1/2にエスパー米国防相の会見で、イランがイラク内での米軍・米大使館・米民間人襲撃事件を先導・扇動していると非難、米軍は先制攻撃を行うと警告。間髪をいれず翌3日にはイラク(バクダッド)でシーア派武装勢力の直接的指導に当たっていた革命防衛隊司令官とシーア派武装勢力を車列ごと空爆(ミサイル攻撃ともドローンによる空爆とも報道されているが、米国からみると米大使館等を襲撃したテロリスト集団を殺害)。イラク議会で多数派を占めた反米シーア派の暫定首相(大統領は任命を拒否して辞任)とイランの宗教最高指導者がこれを好機とし、殺害されたテロリスト指導者を殉教者とたたえ高らかに報復を宣言し、イラン軍が実際にイラク内の米軍基地にミサイル攻撃を行ったのが日本時間での1/8朝であった。円は1/8に円高値107.65を付けたが、トランプがイランからのミサイルによる米人関係者の死傷はゼロで、「戦争は望まないし、軍事力の行使は行わない」との演説を行うと、するすると円安に戻り109.68の円安値をつけ109.44近辺での越週となった。円以上に大きくふれたのが株式市場で、日経は週中安値22951、高値23903 金曜引けは23850、 ダウは 安値28418 高値29009 28823での越週となった。大統領選挙を11月に控え派遣している米兵に被害が出ることを最も懸念する状況と、(革命防衛隊ではなく)イラン軍があらかじめ標的を予告したうえで、人的損害を最小限とする攻撃目標を正確に攻撃したことでなんとかおさまったというところだろうか、 イランの宗教最高指導者(ハメネイ)とその先兵である革命防衛隊は(スンニ過激派同様のイスラム原理主義者の)、正真正銘の反米集団(米国にとってのテロリスト)であることが今回の事件で明白となったのではなかろうか。 | |||||||||||||||||||||||||
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格納レポート
200111__00来週の予想
200111__01a相場を考える.(長期的な経済・政治情勢、の分析・現状認識です)
200111__01b相場を観る.(中長期的な為替・株(日経/NYKダウ)のチャート分析です)
200111__02先週の動き
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20200106_10_経済指標実績
20200104_10_一週間分日経メール
20200113_17_経済指標来週の予定
20200113_17_外交安保-時事国際_来週の予定
2020 年相場の動き
みずほ銀行 「外国為替ダイジェスト」 200106~200110 (本邦祝日は休刊)
三菱UFJ銀行 Daily Market Report as of 191213 ~191219 (本邦祝日は休刊)