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欧州中央銀行(ECB)は29日開いた政策理事会で金融緩和政策の維持を決めた。ラガルド総裁は記者会見で「景気回復の勢いは想定以上の速さで失われている」と語り、12月の次回会合での追加緩和を強く示唆した。新型コロナウイルス感染拡大への対応で各国が経済制限を再強化しており、ECBは景気の二番底へ警戒を強めていた。
ラガルド総裁は12月にまとめる新しい経済見通しをもとに、必要に応じて政策手段を再調整する考えを示した。「リスクは明らかに下方に傾いている」とし、今後の経済指標を慎重に点検する。
ECBの次の一手として、コロナ対策で新設した1兆3500億ユーロ(約166兆円)の資産購入枠の拡大を予想する声が多い。購入枠はすでに半分近い、約6千億ユーロが埋まっている。期限を「少なくとも2021年6月末まで」としており、延長とセットで拡大を打ち出すとの見方がある。
政策金利(中銀預金金利)はすでにマイナス0.5%まで下がっている。ECBは利下げの可能性を排除していないが、銀行の収益に悪影響を与えかねないマイナス金利の深掘りには踏み切りにくい情勢にある。ECBは金融政策の枠組みの見直し作業も進めている。そう遠くない時期に、物価目標を修正して上昇率が2%を上回ることを容認し、金融緩和をより長く続けるという姿勢を明確にするとの見方も浮上している。ECBはこれまで資産購入の特別枠の設置や銀行への超低利資金の大量供給などを進めてきた。こうした緩和政策によって成長率を1.3ポイント、物価上昇率を0.8ポイント押し上げたというのが、ECBの分析だ。
だが、新型コロナの感染再拡大が欧州全体に広がるなか、景気と物価の雲行きは再び怪しさを増している。危機が長引けば企業の倒産が増え、失業率を高めかねない。失業の増加は需要の減少だけでなく、将来の生産性の低下にもつながる。消費者物価上昇率は8月から2カ月連続のマイナスで、年内はマイナス圏を抜け出せない可能性が高い。「2%近く」というECBの物価目標の実現のメドも立っておらず、低インフレの定着を懸念する声があった。
(*日経 記事より)写真:景気の二番底懸念でECBの対応が焦点に=ロイター
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