先日、Jリーグを観戦した。広島のエディオンスタジアムでの
サンフレッチェ広島とFC東京のカード。あいにくの雨模様だったが
FC東京のサポーターも多く駆けつけていた。
この試合、FC東京が相手のミスを突き先制。広島がエース佐藤の
ゴールで追いついたが、カウンター攻撃で再びFC東京が勝ち越し、
そのまま試合終了となった。
昨季の覇者・広島は2011年8月以来の2連敗、順位も3位に
後退した。残り試合は10試合。いよいよ優勝争いが白熱してくる。
今季チャンピオンになるのはどこか。混戦模様のなか、それぞれの
ファンにとっては1試合1試合の行方が気になる。
ところで、その試合の始まる前、FC東京のサポーターが応援歌を
歌っているとき、一緒に観戦した友人がつぶやいた。
「広島のサポーターは相手が歌うとき、自分らの声援はやめて
歌を聞いてやればいいのにな。互いに歌いあって、讃えあい、
頑張ろうのエールを交換したらいいのにな」
どこのゲームでも同じだが、ホームチームの方がサポーターの数は多い。
それでもアウエーのサポーターは声を張り上げて、精いっぱい対抗する
光景はいつものことだ。
でも、友人が言ったように、互いにサポーターをたたえる姿は
見ていて気持ちがいいだろう。日本のサッカー文化向上のためにも
一つのアイデアではないだろうか。
以前、GKがけがを負って、ピッチ内に救急車が入った試合があった。
その時、相手チームのサポーターが「頑張れ」とその選手を励ますエールを
を送ったことがあった。すがすがしい雰囲気がスタジアムを包んだが、
相手を受け入れる寛容な心も大切な気がする。
戦いは戦い、友情は友情…思いやりの心、行動があってこそ
気持ちがすっきりするのではないだろうか。
対決するときはする。でも、讃えあうときがあってもいいだろう。
試合前にピッチに登場するフラッグのフェアプレー精神を、サポーターも
実践してみればもっとゲームが盛り上がるのではないだろうか。
試合を観戦しながら、頭の片隅に、そんな思いが90分間続いていた。