“世界の王”王貞治らの55本を抜き、プロ野球最多本塁打を更新した
ヤクルトのバレンティンが24日、神宮での巨人戦でストライクの判定に激高、
暴言を吐き来日初の退場処分を受けた。
いつもは温厚なバレンティンが豹変したのはなぜだろうか。
58号を放ったのが18日のDeNA戦(横浜)。以来ここまで5試合、
23打席も柵越えがない。相当にイライラが募っていたのだろう。
狙っているのはもちろん60本塁打だが、さらに3冠王も視野に入れている。
だからいくらこの日のヤクルトが大量点を奪っていても、自分のバッティングが
できないもどかしさはある、。
自分のバッティングさえできない上に、さらに精神状態を乱す要因があったという。
甲子園での阪神戦の時に、元阪神で3冠王のバースと予定されていた対談が
ドタキャンされた。バースと言えば、54ホーマーを放ったが、王貞治の記録を
抜けなかった。また3冠王を狙うバレンティンとしては元3冠王との対談はお流れ。
いらいバッティングに精彩を欠いているというわけだ。よほど楽しみにしていたし、
自らに刺激を受けられるとも思っていたのかもしれない。
それが初の退場につながったと言えなくもあるまい。
この日は出身地のオランダ領キュラソー島の大臣から最多本塁打を祝って
表彰された。11月には祝賀パレードも予定され、育った家に面した道路は
「バレンティン・ストリート」となる計画も進んでいるようだ。
大臣は「彼の偉業で観光客が増えるのでは」と期待しているようだが、
この日のバレンティンには表彰もイライラ解消とはならなかったようだ。
気持ちを早く切り替えたのか、25日は2安打で勝利に貢献したが、
本塁打はなかった。早く59号、60号へ突き進んでもらいたいのだが…。
4か国語を操るバレンティンもやはり人の子なのだろうね。