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韓国ドラマ「病院船」から(連載119)

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韓国ドラマ「病院船」から(連載119)




「病院船」第11話➡私に構わないで⑥




★★★


 珍しく外出着姿でジェゴル、ゴウン、病院船事務長3人の姿が町中にある。
「週末でもないのにやけに人が多いな」と事務長。
「寝ぼけたことを言いますね」とゴウン。「まさか恋を?」
「ほんとに?」とジェゴル。
「何をいう。変なこと言わないでくれ」
「だって秋夕だから混んでるんです」
「船長だ…」とジェゴル。
「こんにちは」とゴウン。
「やあ~」
 船長はサングラス姿だ
「車の点検ですか?」とジェゴル。
「そうなんだ」
「ファンベルトを交換しましょう」と修理工の声。
「しないとどうなる?」
「突然車が停まったりします」
「それは危なかったですね」とジェゴル。
「まったくだ。点検しておいて正解だ」
「なるほど。みんな帰省して墓参りに行くのか」と事務長。
「やっと気づいたみたいですね」とゴウン。
「先祖を敬う心が残っているとは世の中捨てたもんじゃない」
「そうですよ。心温まりますね。おっほほほほ」
 事務長も一緒に笑う。
「はっははは、まったくだ。はっはははは」


★★★


 病院船内の朝は医療の準備で忙しい。看護師たちが医療の支度に追われる中、アリムは仕事が手につかず浮かぬ顔をしている。
 ゴウンが訊ねた。
「朝から浮かぬ顔ね」
「チェさんたち、結局、寄りを戻したようです」
「嘘でしょ。どうして?」
「さっき駐車場で見たら、何だか恋人みたいな雰囲気でした。気が抜けちゃいました」
「ほんとなの?」
 アリムは恨めしそうに頷く。
 驚いてるゴウンを残して行ってしまった。




 父の手術をするには自分しかいない、と思い込んでるウンジェは執刀の方法を必死に模索していた。昨日も今日も夜昼なく暇さえあればCTのモニタを睨み続けている。
 口から付いて出るのはため息ばかりだ。
 頭を抱えているウンジェのところにゴウンが顔を出した。
 ゴウンに気づいてウンジェは慌てて映像を消した。
 ウンジェを見てゴウンは訊ねる。
「どこか具合でも?」
「いいえ」
「では心配事が?」
「頭痛がするんです」
 ウンジェは席を立った。
「1時間だけ休憩を」
「2時間あげます…島にはまだ着きませんから、ごゆっくり」
 ゴウンはそう答えて部屋を出ていった。




 ウンジェは休憩室へやってきて横になった。
 


 病院船の設備スタッフや看護師らがラーメン鍋をやっている。
 離れた席にいるヨンウンにも声がかかった。
「一緒にいかがです?」
「私は結構です。みなさんでどうぞ」
 船長はバツが悪そうにボソボソと話す。
「俺たちの分が増えたな…さあ、いただこう」
 この時、ヨンウンの携帯が鳴った。
「うん、ジョンリム」
「あんた、どこまでやる気なの?」
 ヨンウンは思わず漏れ出る友人の声を気にした。
「ちょっと待って。場所を移してかけ直すから」
 みんなとラーメンをつついていたアリムはヨンウンの受けた電話が気になるようだった。




 ヨンウンは外に出て友達に電話をかけ直した。
「えっ? またヒョンさんから電話が?」
「いつまでだます気でいるの?」
 友人の報告を聞きながらヨンウンは人のいなさそうな部屋に落ち着いた。カーテンのかかった場所はあるが…。
「彼は気づいてないの?」
「まだ平気だけど、ずっとは騙せない…気づく前に彼の心をつかむわ。病気がウソとバレる前に別れられなくする」
 電話を終えた後、ヨンウンは吐息をついて部屋を出た。
 カーテンの裏でウンジェはじっと目をつぶっていた。




 ヨンウンはさきほどの場所へ戻ってくる。すでにスタッフたちの姿はない。




 休息を終えて業務に戻ったウンジェの部屋がノックされた。ウンジェは応じる。入ってきたのはヨンウンだった。
 マグカップを握り、ヨンウンは余裕の表情で入って来た。
「うわっ、凄い」
 ウンジェの描いている図画を見入り、感嘆する。
「個展を開けますね」
 ウンジェは顔を上げる。
「ご用件は?」
 ヨンウンはマグカップをデスクに置いた。
「カモミールです。どうぞ。疲れに効きますよ」
「ありがとう」
「こちらこそ。彼を取り戻せました」
「…」
「先生のおかげです」
「チェさん…」
「こう言うんでしょ ― ”私は何もしてない”と」
「そうよ」
「でも、彼を突き放した」
「…」
「ヒョンさんと交際して6年。互いに目を見れば考えてることが分かる。…~、彼の温かくてすてきなまなざしは、常に私を見てた。けれど今は違う人を見てる」
「…」
「でも構わない。心は他に会っても気にしないわ」
 ウンジェは顔を上げる。強い目を返す。
 しかしヨンウンは言う。
「今だけよ。そのうち彼の心も取り戻すわ。だから」
「そのために病気だとウソを?」
 とたんにヨンウンの表情は変わる。
「不治の病だと?」
 ヨンウンは居直る。
「嘘つき呼ばわりとは失礼ね」
 言うなら部屋を出て行こうとする。
 間髪入れずウンジェは言った。
「本当に検査をしたか確かめる?」
 ヨンウンはその場で凍り付いた。
「簡単よ。急性骨髄性白血病なら骨盤辺りに検査痕が残る」
 ヨンウンは弱気になった。
「ヒョンさんに話すつもり?」
 ウンジェは耳に手をやり机上に目を落とした。作業に戻りながら言う。
「電話する時は周囲を確かめて。そんなに不注意だと私だけでなく他の人にも早晩知られる。自滅するわよ」
「なぜ、そこまで…」
 ウンジェは鉛筆を置いた。腕を組んだ。
「嘘で先生をつなぎとめられるとでも?」
「あなたのせいよ」
「…」
「以前の彼なら、いくらひどい別れ方をしても、私を受け入れてくれた。それをあなたがなくさせてしまったの」
「…」
「だから―私が何をしようと自分の言葉を守って」
「…」
「恋愛に興味はないと私に宣言したのだから、彼が迫っても決して振り向かないで」
 言うだけ言ってヨンウンは部屋を出て行った。




 注意したのに壁も障子も気にしない……ウンジェは大きくため息をついた。
「出てきて」
 返事はない。ウンジェは立ち上がった。
「分かってるの。ピョさん、そこにいるんでしょ」
 やはり返事はない。
 ウンジェは歩いて隣室とのドアを開けた。
「そこにいるのは誰?」
 ジェゴルが顔を上げた。
「見ての通りだ。ピョさんに頼まれて修理をしてる」
 ウンジェは歩み寄った。
「聞いてたの?」
「耳はいいからね」
「忘れて」
「そうするよ。ライバルが消えれば先生を口説きやすくなる」
 ウンジェは呆れて言う。
「ほんとに軽口が好きね」
「いや、今日は紳士になろうと思う」
「どういうこと?」
「ヒョンは恋敵のようなものだけど、フェアに戦いたい」
「彼に話すというの?」
「ダメなの?」
「やめて」
「なぜ?」
「余計だし、何より…」
「何より?」
「私たちから聞けば彼が恥をかく」
「これは詐欺だ。騙されるより恥をかく方がマシでは?」
「いいえ…恥をかくことが何より耐えがたい人もいる…」
 ジェゴルは立ち上がった。ウンジェに歩み寄った。
「今、自分の話を?」
「…」 
「恥をかくのが嫌だから、彼にも気遣いを?」
 ウンジェは黙り込んだ。
 ウンジェの気持ちを理解してジェゴルは言った。
「分かった。君の言う通りにする」
 ウンジェはジェゴルに目をやる。
「ただし、条件がある」
「それは何?」
「まだ決めてない。決めたら伝える。では」
 ジェゴルは内科の診療室を出て行った。





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