韓国ドラマ「30だけど17です」(連載172)
「30だけど17です」第20話(名前はウ・ソリだった)③
☆主なキャスト&登場人物
○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○イ・ドヒョン➡(トン・ヘボム)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)
○チョ・ユジョン(イ・リアン)
○ワン・ジウォン(リン・キム)
○アン・スギョン(チン・ヒョン)
★★★
ドクスらも2人を見舞にやってきた。そこでジェニファーは差しいれの袋を解いた。
「うわ〜、ジェニファーの手作りか。美味しそうだ。食べていいんですか?」
食べ物に飛びつく3人にソリらは微笑ましい目を向ける。
食器に食べ物を盛って、ドクスらはソリのそばに集結した。
「これ、取ったメダルです。見てくれましたか?」
「見た見た、見たわよ」
ソリは手を叩く。
「とてもカッコよかったわ」
「ドクスは泣いたんだよ」
「えっ、そうなの。見かけによらないわ」
「からかわないで」
笑い声が弾けている。
話の弾んでるソリらの様子をドアの外にも伝わって来る。
中に入りかけたヒョンテはドアの取っ手から手を放した。
「俺が泣くわけないだろ」
「何言ってる泣いてたくせに」
笑い声が弾む中、ソリはドアの外にヒョンテがいるのに気づいた。
ヒョンテはそこから背を返すところだった。
★★★
ウジンはチャンのベッドを見舞った。
足の痛みが伝わるのか、チャンは時おり魘されている。何やら譫言で呟き、ソリのことも呟いた。
チャンにしばし付き添い、ウジンはソリの部屋に戻った。
ソリはベッドの上に座っていた。
「寝ないの?」
ウジンはベッドのそばに腰をおろした。
「検査するのが不安だから?」
「身体に異常がみつかったらどうしよう…」
「大丈夫さ。心配しないで寝た方がいい」
そりはウジンを見た。黙って頷く。
ベッドに身体を預ける。
ウジンが布団をかけ、ソリの手を握った。ソリはウジンに顔を向けて目を閉じた。
ソリの寝顔を見つめながらウジンはヒョンテとのやりとりを思い浮かべた。
「何を隠してるんです?」
「…ソリはすごい才能を持っていました」
「…」
「あの事故さえなければこんな目には…」
「…」
「両親に先立たれ、事故に遭って演奏家の夢まで奪われて―きっと死ぬほどつらかったはずです」
「…」
「これから、もっと傷つくでしょう―」
「…」
「だから今は言いたくない ― おいおい、話します」
時間が過ぎてヒョンテは再びソリの病室の前に立った。ベッドにはやはりウジンが付き添っていた。ソリはウジンに手を添えられ、安息の眠りに沈んでいた。
日中、みんなが盛り上がっている時、そのまま引き返そうとした時、ソリは自分を追って病室から出てきた。
声かけられて振り返った時、ソリは対等な口の利き方で自分の名を呼んだ。その言葉にヒョンテはふっと気が和んだ。
2人は待合のテーブルで昔の自分たちを取り戻した。
ソリは切り出した。
「13年ぶりに目覚めて―もっとも見なれなかったのは誰だと思います? あ、ごめん」
丁寧な自分の口調に一瞬下を向く。顔を上げて続ける。
「誰だか分かる?」
「…」
「私だった」
「…」
「記憶では昨日まで17歳だったのに、目覚めたら30歳なんだもの―自分の姿を受け入れて慣れるまで、凄く時間がかかった」
「…」
「いいえ、今も慣れようとしてる途中よ―あなたがヒョンテなのも頭で分かってるけど、正直に言えばすごく戸惑ってる」
「…」
「私に時間をくれない? ごめんよ、ヒョンテ。あなたによそよそしくて。ほんと、ごめん。私を許して」
背を返したヒョンテはその足で医局には戻れない。ドアの横の壁に背をもたれてしばしその場に留まった。
チャンは早々とソリの部屋にやってきた。ソリが検査を終わって顔を出すのを待ちながら、ひとりで苛立っていた。
「もう、とっくに検査はおわったはずだがな〜」
その時、ドアが鳴った。開いてソリたちが入ってきた。
チャンは慌ててベッドから立ち上がる。
ソリは驚いた。
「ここで待ってたの?」
それには答えず、チャンは訊ねた。
「疲れたでしょ。さあ」
ベッド―の掛け布団を引く。
「早く横になって」
「そうやって歩き回ると、足首によくないんじゃありません?」
ジェニファーがわざとらしくまっとうなことを言う。
「大丈夫です」
チャンは磊落に答える。
「自分のことはよく分かってますから」
ソリを見てベッドを叩く。
「ほら、横に」
ソリはベッドの縁に腰をおろす。
「ミスター・コンは?」
「退院の手続きです」
そこへ看護師が入ってきた。
「ユ・チャンさん、安静にしてないとダメです。注射するので病室に戻ってください」
「ここで打ってください」
「いいですよ」
看護師は頷く。
「では、お尻を出してください」
「お尻?」
チャンはためらう。
「すぐ戻ります」
チャンは慌てて病室に引き返していく。
ジェニファーはクスっと笑った。
チャンが出て行った後、ジェニファーは言った。
「私は先に帰って食事の支度をします」
ソリは立ち上がった。
「迷惑かけてすみません」
「ノー、ノー、何のこともありません」
ジェニファーは首を横に振った。
「家で帰りをお待ちしてます」
ショートバッグを握って病室を出て行った。
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