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雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ「朱蒙」第5話

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 金蛙王は大将軍に朱蒙の生死の確認を行うよう命じる。
 金蛙王の命令に不満のウォンビはヨミウルを呼び、陛下の命令をヨミウルが止めてください、と頼み込むが、私はエセ占い師ではありません、とはねつける。
 生死の確認をおこなえとの命が出て、引っ込みのつかない帯素たちも探索に出ようとするが、朱蒙は疲れた身体を引きずりながら宮へ戻ってきた。
 三人が無事戻ってきた事でお祝いの席が用意される。
 その席で金蛙王は三人に弓を見てきたか、そして、弦を張ってみたか、と問う。
「はい。張りました。あのように強い弓は見たことがありません。あれこそ、真の神器です」
 帯素は答える。
 ヨンポも答えた。
「はい。兄ほどすぐには張れませんでしたが、苦労して張ることができました」
 朱蒙は跪いて答えた。
「お許しください、陛下。始祖山にもたどりつけずに帰ってきました」
 部屋に戻って、ユファは朱蒙を問いつめた。
「私には見たと言ったではないか」
 朱蒙は見た弓が折れたことと、兄たちが自分の死を望んでいたことを話し始める・・・。
「だから怖くて、陛下の前でほんとのことが言えなかったのです」
(第4話より)
 
 朱蒙の話にユファは驚きを見せた。
「神器が折れたですって?」  
「それだけでも怖ろしいですが、私は兄たちの方がもっと怖いです。道に迷ったのではなく、兄たちは私を殺すつもりで捨てていきました。タムル弓を折ったことも大きな罪ですが、私の死を望む兄たちの前で私は何をしたらいいのでしょう。教えてください」

 ウォンビは朱蒙を殺せなかった帯素たちを責め立てていた。
「どうせ殺すなら直接殺すべきだったのだ」
 帯素とヨンポは、二度と失敗してはならない、と誓いあった。帯素はヨンポに朱蒙の行動を監視し、報告しろ、と言いつけた。

 ユファはとうとう話すべき時がきたとばかりに話しだした。
「今までお前を強く育ててこなかった。夫余の王子なら習うべき武芸を教えず、政治にも関心を持たないようにしてきた。どうしてかわかるか」
「わかっていました」
「話してみなさい」
「幼い頃から王妃様の嫉妬に耐える母を見てきました。私も兄たちの冷遇に耐えてきました。それが我々の運命だとわかっていたので、生きる道を考えました。
皆に情けなく無能な人間と思われ、夫余宮ではいつも目立たぬように努力し、注目されないようにしてきました。何の欲望も野心も抱かず生きてきましたし、これからもそうします」
「だが、私の胸の内はそれだけではない」
 ユファは言った。
「王妃たちに嫉妬され冷遇される運命ゆえ、あえて身を低くしてきたが、これからは違う。お前を夫余の太子にして夫余の王位を継承させます。お前は必ず夫余の王になり、やらなければならない大業があります」
「オモニー(母さん)、私がやらねばならない大業とはいったい・・・」
「その時がくればわかります」

 ユファは自分のそばで仕えるムドクの兄ムソンに朱蒙を預ける。武芸を習わせるためである。
 朱蒙は毎日山歩きばかりさせ、自分は酒を飲んでいるムソンが信じられなくなる。ムソンは自分の管理する獄舎に朱蒙を連れて行き、自身の剣の腕前を見せてやる。じつはイカサマまじりなのだが、これを見て朱蒙はムソンに信頼を寄せるようになり、剣の稽古に励むようになる。
 帯素たちも剣の稽古に明け暮れていた。
 そんなある日、新しい剣が開発されたとの報が王にもたらされる。金蛙王は鉄器工房に出向き、親方のモパルモに会った。

 召西奴は商いを成功させ夫余に戻ってきた。一緒に出向いたウテは召西奴の功績をたたえた。ウテの父ケピルは召西奴の人使いの荒っぽさを嘆いた。そしたらお前は首だな、わしはすべての仕事を召西奴に譲るつもりだ、と言って笑った。

 新しく開発された剣のお披露目が金蛙王の前で行われることになった。
 帯素は王に申し出た。
「その剣の性能を私にためさせてください」
 許された帯素はその相手に朱蒙を選んだ。名指しされた朱蒙も受けて立った。
 これからは堂々とやっていこうと言った母(ユファ)も心配するが、当人として母の前で修行の成果を見せたい気持ちもあったであろう。
 王の許しも出た。朱蒙は赤のハンナラの剣を握り、帯素は新開発の剣を握った。二人は対決の場に臨んだ。
 帯素は朱蒙に囁いた。
「殺しはしないから心配はするな」
 対決は朱蒙の劣勢で推移するが、最後、帯素の剣が折れてしまう。その時、朱蒙の剣は帯素の喉もとで止まっていた。
 開発した剣が折れ、王は落胆を見せた。

 帯素は、ちゃんと監視をしていたのか、とヨンポを叱った。
「まだ下手だが、あいつは剣を習っているに違いない。ちゃんと監視をしているのか」

 ユファは朱蒙を相手に上機嫌だった。
「少しは稽古の成果が上がっているようですね」

 王妃ウォンビはユファを部屋に招き、呼んできていた町の歌人(語り部)に英雄伝の話をさせた。古朝鮮の栄光を取り戻すため、ハンナラ軍に抵抗したヘモスの話である。
 ヘモスの子をユファ夫人が育てている・・・町の噂を芝居仕立てに練り上げた話だった。
 話を聞いているうち、ユファ夫人の表情は暗くかげっていった。その様子を楽しそうに観察しながら、王妃は歌人(語り部)を怒鳴りつけた。
「こやつは、何ということをいうのだ。そのユファ夫人とはここにおられる者だ」
 歌人はそれを聞いてその場にひれ伏した。

 獄舎の中で朱蒙は今日も稽古を続けていた。
 食事当番がやってきて、朱蒙はムソンと一緒に食事を運んだ。
 獄舎には何十年もここに捉えられている者もいるらしい。朱蒙は獄舎に捕らえられている者に関心を示した。
 ユファの前で朱蒙は獄舎の話をした。獄舎について一通りの説明をした後、
そこに捉えられている一人の男の話をする。
「今日そこで奇妙な老衆人を見ました。大罪を犯したのか、鉄槌の様な監房の中にいるその者は、数十年の時を暗闇の中に囚われて、髪が真っ白で両目まで失っていました。さらに不思議なことはその者を見て雷に打たれたように私の胸はどきどきしました。今もその様子が目に浮かびます」
 朱蒙の話を聞いて、ユファ夫人の胸に目をつぶされ磔にされたヘモス将軍の姿が浮かんだ。
「両目を失っていたと申しましたか」
「はい」
「何の罪で囚われているか・・・誰なのか・・・知る方法はないのですか?」
「獄長も知らないので難しいと思います。誰か、心当たりでもあるのですか」
 朱蒙が引き下がった後、ユファはつぶやき返した。
「そんなはずはない・・・」

 ヨミウルはプドウクブ゛ルにヘモスが生きていることを告げた。
 断崖から落ちた後、ヘモスが生きていた報告を持ってきたのは大将軍だった。大将軍は殺すべきだと言ったのだが、ヨミウルが洞窟の獄舎に幽閉して生かしたのだ。
 ヨミウルは大使者プドウクブルを連れて獄舎に向かった。
 その頃、母の意を汲んだ朱蒙はヘモスと面会していた。
「あなたは誰ですか。何の罪でここに捕らえられているのですか」
 しばらく考えてヘモスは答えた。
「自分は誰なのかは忘れた。何の理由で、ここに捕らえられているのかもわからぬ」
 
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